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日刊 温暖化新聞|エダヒロはこう考える
2011年04月07日
エネルギーについて時間軸を意識して考えよう
今回の東京電力原発事故を受けて、いろいろなメールがたくさん届いています。(個別にお返事できなくてごめんなさい!)
拝読していると「自分の使っている電力」に対して、罪悪感を抱いている方もたくさんいらっしゃることがわかります。
スウェーデンなどでは、「自分の使う電力」を選べます。電源によって価格は違いますが、「ウチは風力発電の電気をちょうだい」って具合に選べるのです。
いまの日本では、地元の電力会社の考え次第である割合の原子力発電の電力が混ざってしまいますが、もし日本でも「自分の使う電力」が選べたら……?
そうしたら、「少なくても自分の使う電力は、あの地の原子力発電所から来ていたわけではない」と、個人的な罪悪感は少なくてすんだのかも。。。
当面は「この夏の電力不足をどう乗り切るか」の議論が盛んになるでしょうけど、もう少し中長期的に「これから日本のエネルギーをどうするか」という議論では、「それぞれの人が自分の使う電力を選べるようにする」こともぜひ進めていってほしいと思います。
エネルギーのシフト(転換)は一朝一夕にはいきません。発電所を作るにも多くの場合、数年~数十年かかりますものね。
そう考えると、「いますぐどうしたいか」と「長期的にどうしたいか」を分けて考えることが大事だと思います。
「いますぐ」を考えると、たとえば、夏の電力不足を乗り切ることを考えれば、自然エネルギーを短期間で大きく増やすのも限界があるので、火力発電を増強することも必要、となるかもしれません。
でも、「長期的に」と考えれば、移行のための時間を見込めるので、長期的には、原子力発電はなくして、化石燃料への依存は減らして、自然エネルギーが主役のエネルギーにしていきたい、ということも考えられます。
原発事故後に、いくつかの「エネルギーについての世論調査」がおこなわれていますが、どうも、「いますぐ」と「長期的に」をきちんと分けずに聞いているため、回答がごっちゃになっているのではないか?と思われます。
「すぐに原発をゼロにするのは無理だと思うけど、長期的には原発に頼らないエネルギーがいい」という思いの人がいたとして、時間軸を意識させずにただ「どう思いますか?」と尋ねると、思いの前半だけ(すぐに原発をゼロにするのは無理だと思う)が反映され、後半(長期的には原発に頼らないエネルギーがいい)は反映されないこともあるのではないかな?と。
エネルギーをどうするかは、中長期的な時間軸で考えていくべきことだと思い、イーズ/幸せ経済社会研究所/JFSで、「30年後の日本の電力について」答えてもらう世論調査をおこなったところです。
結果は別途お知らせしますね。