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日刊 温暖化新聞|温暖化BASIC
主要な温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)の現状はどうなっているのでしょうか。私たち人間が二酸化炭素を大気中に排出していますが、一方、地球にはある量の二酸化炭素を吸収する力があります。そのバランスはどうなっているのでしょうか。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の最新の報告書によると、まず、世界全体で私たち人間が、化石燃料、つまり石油、石炭、天然ガスを燃やして、大気中に出している二酸化炭素は、年間72億炭素トン(炭素換算、以下同じ)です。この数字は最新の数字ですが、報告が出るたびに増え続けています。いまでも増え続けています。
一方、地球には、大気中にある二酸化炭素を吸収する力があります。ひとつは陸上生態系、すなわち森林などの植物とその下の土壌です。陸上生態系は現在、年間で9億炭素トンの二酸化炭素を吸収しているといわれています。これは、森林破壊などによる二酸化炭素の放出を差し引いた数字です。もうひとつは海洋です。海は現在、年間に22億炭素トンの二酸化炭素を吸収しているそうです。つまり、現在の地球は1年間に合計で31億炭素トンの二酸化炭素を吸収しています。
私たち人間が出す二酸化炭素が地球が吸収できる量以下であれば、大気中の二酸化炭素濃度はそれ以上には増えません。しかし現在、人間が出している二酸化炭素は年間72億炭素トンで、地球の吸収量は31億炭素トンですから、半分以上は大気中にたまってしまいます。毎年毎年、この差が大気中に蓄積していきます。これが温暖化を起こしているのです。ですから、私たち人間が出している量を地球の吸収量(現在は31億炭素トン)以下に減らさないかぎり、温暖化は進行します。
ですから、私たち人間が出している量を31億炭素トン以下に減らさないかぎり、温暖化は進行します。地球が吸収できる量と、人間が出している量の差がどれだけ大きいかによって、温暖化がどのくらいのスピードで、どのくらいの規模で進行するかが変わってきます。
■温暖化FAQより
Q:日刊温暖化新聞で取り上げている「人間が化石燃料(石油、石炭、天然ガス)を燃やして、大気中に出している二酸化炭素は、年間72億炭素トン(炭素換算)」という数字の出典は?
Q:「絶対に譲れない数字」には世界の二酸化炭素排出量は「年間72億トン」とありますが、他で「266億トン」という数字を見ました。この違いは?