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日刊 温暖化新聞|エダヒロはこう考える

20110629

地球の限界と折り合いをつけて生きていく最初のトレーニング~夏の節電に向けて「電気予報」「節電警報」+熱中症に注意して!

今日も首都圏は暑い日となりましたね~。今年の夏はどのくらいの暑さになるのでしょうね。。。

ここしばらくの暑さで、クーラーをつけるところが増えてきました。と同時に電力使用量も増えてきていることと思います。今年の夏は、電力供給量に限界があるため、「供給量をにらみながら使っていかないといけない」状況です。

考えてみれば、「供給量に限界がある」のはこの夏の日本の電力だけじゃなくて、淡水供給量だって、森林資源(木材など)供給量だって、魚の供給量だって、本当は限界があります。

淡水は水循環の範囲でしか使えないはずだし、木材だって、ずっと使い続けようと思うなら、森林が成長する範囲でしか使えません(元本に手をつけずに利子で暮らすということです)。魚だって、卵が産まれて魚になる数を超えてとってしまったら、どんどん減ってしまい、ずっと獲り続けることはできません。

この「供給量の限界」が、あたかも存在していないかのように、いまの社会や経済は、使いたいだけ使っています。利子だけじゃなく、元本をどんどん切り崩している状態です。だから、森林が消失し、漁場の多くが次々と崩壊しているのです。

いま首都圏では、地下鉄の駅や地下道などあちこちに「電気予報」が出ています。現在の電力供給量と使用量を比べて、「範囲内でOK」なのか、「限界に近づきつつあり、節電せよ!」なのか、わかりやすく合図が出ています。

YAHOOにも「電気予報」が出ています。
http://setsuden.yahoo.co.jp/tokyo/denkiyoho/
https://twitter.com/intent/user?screen_name=Yahoo_DenkiYoho

今見たら、「午後の東京電力エリアの電力使用率は、88~95%程度でしょう。特に電力消費が多くなるのは16~17時で、電力の使用に、より一層の注意が必要です」。

こうして「供給量の限界」と「現在の使用量」が「見える化」できれば、必要な行動をとりやすくなります。淡水や森林や魚の場合は、限界を超えてもすぐには問題が顕在化しない(=時間的遅れがある)ため、人の行動変容につなげるのが難しいのですが、電力の場合は、需要が供給量を超えてしまうと、予測できない大規模停電が起きる可能性があり、何としてでもその事態を回避すべく、「限界を超えないように」さまざまな手が打たれることでしょう。

即座に結果が出るものですら対応ができないとしたら、時間的な遅れを伴い、「見える化」も難しいものの対応はますます難しいことでしょう。

この夏、日本では世界でも初めての「供給量の限界と折り合いをつけながら生きていく」壮大な実験が展開されることになります。

(JFSを通じて、そういう観点から日本の電力事情や節電の動きを世界に発信していきます。世界にとってもすごく参考になると思いますので!)

みんなが「私ひとりぐらい」と思って行動した結果があわさって、みんなが困る事態にならないためには、ひとりひとりが「供給量の限界と現在の使用量」に注意をしておくこと。そして、いざという時が近づきつつある緊急時には「危ない!電力をできるだけ消して!」という警報を出せること。

地震警報に応じて、ケータイ電話がいっせいに警報音を鳴らすように、節電警報を広く伝える情報ネットワークがあれば、、、ということで、私も特別会員として参加しているプラチナ構想ネットワークでは、自治体を通じて「節電警報」を流すしくみを構築中です。
http://www.platinum-network.jp/

低炭素社会戦略センターや自治体と協力して停電予防連絡ネットワークによるシステムを構築し、実証試験でその効果を確認したとのこと。

プレスリリースからご紹介します。
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20110624/

~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~~

東日本大震災により、東京電力の発電施設が被災し、夏場の電力需給が極めて厳しくなるとみられています。経済産業省の電力需給緊急対策本部は「夏期の電力需給対策について」注3)として、この夏を乗り切るために大口需要家・小口需要家・家庭の部門毎での電力需要抑制の目標を15%に決めました。しかし、産業界での電力需要の過度な抑制は、経済活動に多大な影響を与えかねません。経済活動を停滞させずに計画停電および大規模停電を回避するには、家庭での節電が極めて重要です。

このような背景からLCSは、電力需要の予測モデルと家庭での節電効果算定モデルを用いて、電力供給・使用データ、気象予報データ、国と協力して得られる電力需給に関する情報などから、家庭での節電の必要度を予測するシステムを構築しました。このシステムでは、予めリストアップした家庭でできる節電行動から節電レベルを設定し、日常的に心がける節電行動についてはLCSや自治体などのWebサイトなどにより普及啓発を図ります。

翌日の電力需要が供給上限に近づく可能性があると予測した時(節電レベル2とレベル3)は、自治体などで保有する緊急連絡網注5)を通じて、家庭に「節電予報」として節電レベルとそれに応じた節電行動を呼びかけることにより、過度な我慢を伴う節電を強いることなく電力需要のピーク値を低く抑えることを狙います。また、数時間後に電力需給が著しく逼迫してくると予測した場合(節電レベル3)は「節電警報」を当日に発します。

このシステムの効果を確認するために、モニター家庭が節電の呼びかけを受けた時にとった行動の記録と、各家庭の分電盤や電気器具に取り付けた消費電力量を記録するメータ「省エネナビ」のデータをもとに、節電行動が消費電力量にどれだけの影響を与えるかを実証試験で検証しました。

約100世帯のモニター家庭に対して試験的に「節電予報」と「節電警報」を発した結果、全体として8割以上の家庭が節電行動をとりました。また、節電行動をとったモニター家庭のうち、「省エネナビ」を取り付けた家庭の消費電力量の変化を調べた結果、約2割の消費電力量(Wh)削減を実現しました。

このシステムの利用地域を拡大することにより、経済活動を維持しながら停電を回避することが可能であると期待されることから、プラチナ構想ネットワークは会員(自治体、法人など)へ周知して利用地域の拡大を図るとともに、LCSは本システムの夏期の本格稼働に向けた準備を進めています。

~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~

節電行動のレベル分け、参考になります。

●レベル1(電力需要に対する供給が十分に上回っている時)日常的にできる節電行動を、LCSや自治体のWebサイトなどで呼びかけるとともに、あらゆる機会で周知する

(節電行動例)
エアコン・冷蔵庫を買い替える。
白熱電球からLED電球に買い替える。
遮熱カーテンに変え、二重窓を取り付ける。
エアコンの設定温度を1~2度上げる。
エアコン利用時は、空気を循環させるために扇風機を回す。
ノートパソコンの充電を深夜に行う。
電気ポットや炊飯器の保温機能を切る。
待機電力をできるだけ切る。

●レベル2(電力供給に対して需要が近づいてくると予想されるとき)前日に「節電予報」で周知する

比較的大きな電力を消費する電気器具について、不要不急の場合に使用を控えるなど、時間をずらして使用する。

(節電行動例)
エアコンを間欠運転にする(30分~2時間を空けて運転のオン・オフを行う)。
不要と思われる電灯を切る。
洗濯乾燥機機能や食器洗い乾燥機の使用を控える。
IH調理器、電気ポット、電子レンジ、洗濯機、掃除機、ドライヤー、パソコンなどの使用を控える。

●レベル3(電力需給が逼迫していると判断した時前日に予測した場合は「節電予報」で周知し、当日に予測した場合は「節電警報」として周知する

命にかかわるものでない限り、家庭でできうる限りの節電を行う。

(節電行動例)
エアコン、電灯、テレビ、パソコンなどを切る。
抜いて支障のないコンセントは、できるだけ抜く。

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ところで、節電も大事なのですが、言うまでもなく命も大事です。くれぐれも節電で命を落とすことのないよう、十分に気をつけて下さい&まわりの方々にも気をつけてあげて下さい。

昨年、どのくらいの方が熱中症で亡くなったと思いますか?

何と1718人。統計を取り始めて以来、最多の数字となっています。夏の猛暑が大きく影響しています。1718人のうち、80%近くは65歳以上だったそうです。室内や就寝中に熱中症になる場合もあるので、「炎天下じゃないから大丈夫」とは思わないように気をつけましょう。

熱中症を予防するためには、
・こまめな水分補給
・通気性のよい衣服の着用・室温に注意し、扇風機やエアコンで調整
・(外に出るときは)帽子や日傘の着用

特に年配者は体温調整がしにくくなる場合もあるとのこと、十分に気をつけ、また気をつけてあげて下さい。

熱中症かな?と思ったら、
・涼しい場所へ避難させる
・衣服を脱がせ、体を冷やす
・水分と塩分を補給する
・意識不明のときはすぐに救急車を 

お互い、「電力供給量の限界と現在の使用量」だけでなく、「自分の体調や室温」にも十分気をつけて、暑い夏を乗り切っていきましょう。

自分のツイッターやフェイスブックでも電気予報や節電警報をRTしていきますので、よろしかったらどうぞ~!
https://twitter.com/#!/junko_edahiro

 
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