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日刊 温暖化新聞|温暖化FAQ
温暖化のサイエンス
寒冷期と温暖期は定期的に繰り返しており、最近の温暖化傾向も自然のサイクルと見る方が科学的ではないのですか。また、もうすぐ次の寒冷期が来るのではありませんか。
地球の歴史を見ると、約10万年の周期で氷期と間氷期が起こっていたことが分かっています。この気候変動は、地球の自転軸の傾きや、地球が太陽の周りを回る軌道が変動することで、2万~10万年スケールで起こる北半球夏季の日射量変動と密接に関係しています。この日射量変動がきっかけで、気温変化→氷床や二酸化炭素濃度の変化→気温変化というサイクルが繰り返されてきた、と考えられています。
氷期から間氷期に遷移するときの気温上昇は、20世紀後半から起きている気温上昇とは異なります。例えば、今から約 2万1000年前の最終氷期から次の間氷期に遷移する約1万年間では、4~7℃の上昇が見られましたが、最近の気温上昇の速度は約10 倍も速いのです。日射量変動との関係では、現代の温暖化を説明することができません。
また、今から過去2000年間の気温の推移に着目すると、北半球気温の変動幅が1℃未満の気候変動がありました。数百年スケールの太陽活動の強弱による、日射量変動が影響していたと考えられています。例えば中世には、太陽活動が比較的活発であったために温暖で、15~19世紀ごろには太陽活動が低下したため、「小氷期」がもたらされたと考えられています。20世紀後半には太陽活動の活発化は見られないことから、最近の温暖化を太陽活動の変化だけで説明することもできません。さまざまな要因を考慮した気候モデル実験の結果、温室効果ガス濃度の増加を考慮しなければ、今の温暖化は説明できないことが示されたのです。
過去2000年間に起こった程度の強弱で、太陽活動の変動が繰り返されると仮定すれば、今後数十年から100年の間に、予測される人為的な温暖化を打ち消して寒冷化することは考えられません。私たちが優先的に考えるべきなのは、自然の気候変動ではなく、人為的な温暖化やその影響であるといえるでしょう。
□詳しくはこちら
→独立行政法人国立環境研究所地球環境研究センター「ココが知りたい温暖化」
http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/qa/24/24-2/qa_24-2-j.html