本文の先頭です。
日刊 温暖化新聞|温暖化FAQ
温暖化のサイエンス
CO2が増えると温暖化する、というはっきりした証拠はあるのですか。
将来の温暖化とまったく同じ状況は過去になかったわけですから、裁判における証拠のような、完全に実証的な意味での証拠はありません。しかし、はっきりした「物理学的な根拠」ならあります。
地球の地表付近の温度は、地表が受け取るエネルギーと、ちょうど同じだけのエネルギーを放出する仕組みになっています。物体は一般に、その温度が高いほど、たくさんのエネルギーを赤外線として放出する、という法則があるからです。
宇宙から見ると、地球は太陽からエネルギーを受け取り、それとほぼ同じだけのエネルギーの赤外線を宇宙に放出しています。もしも地球の大気に「温室効果」がなかったら、地表は太陽からのエネルギーだけを受け取り、それと釣り合うエネルギーを放出します。その場合、地表付近の平均気温はおよそ-18℃になることが、基本的な物理法則から計算できます。
しかし、現実には温室効果がありますから、地表から放出された赤外線の一部が大気によって吸収され、大気から地表に向けて放出されます。つまり、地表は太陽と大気の両方のエネルギーを受け取ります。この効果によって、地表付近の平均気温はおよそ15℃になっています。
大気中における赤外線の吸収や放出の主役は、水蒸気やCO2などの微量な気体の分子です。赤外線がいったん分子に吸収されると、その分子から再び赤外線が放出されるので、CO2の分子が増えると、赤外線への吸収・放出が繰り返される回数も増えると考えられます。つまり、CO2が増えるほど、温室効果はいくらでも大きくなるのです。これが、CO2が増えると温暖化する「証拠」であると言えるでしょう。
□詳しくはこちら
→独立行政法人国立環境研究所地球環境研究センター「ココが知りたい温暖化」
http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/qa/4/4-1/qa_4-1-j.html