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日刊 温暖化新聞|温暖化FAQ

バイオマスエネルギーへの転換が温暖化対策として期待されていますが、食料生産との競合などの問題点も耳にします。バイオマスエネルギーは、温暖化防止に本当に役立つのでしょうか。

バイオマスエネルギーには、さまざまな種類と利用方法があります。近ごろでは、サトウキビなどからつくられるバイオエタノールが話題になっていますが、古くからの薪炭材の熱利用、建築廃材や糞・し尿などの木質系・家畜系廃棄物の発電利用などもその一つです。こうした植物由来の原料に含まれる炭素は、大気中のCO2を固定したものなので、燃焼しても大気中のCO2濃度を増加させません。また、ブラジルでは、バイオエタノール100%の燃料が自動車用に使用されるなど、技術的には短期間に導入可能な対策ではあります。

しかしバイオマスエネルギーの導入には、いくつかの疑問点が投げかけられています。例えば、バイオマスエネルギーの生産と輸送の過程で使用する化石燃料が、バイオマスエネルギーへの転換によって削減される化石燃料の量を上回っているのではないかという疑問があります。次に、森林伐採によって、バイオマスエネルギーの原料である穀物生産用の農地を拡大すると、伐採された森林や土壌からの CO2排出を促すほか、生態系の破壊や生物多様性の減少といった環境への悪影響があるのではないかとも懸念されています。さらに、原料として穀物を多用することで食用への供給が減少し、食料価格が上昇するのではないか、とも言われています。

「バイオマスエネルギー=温暖化対策」と思い込むのではなく、トータルで本当にCO2排出削減となるのか、生態系の破壊につながることはないかなど、さまざまな観点から総合的に検討することが必要です。

□詳しくはこちら
→独立行政法人国立環境研究所地球環境研究センター「ココが知りたい温暖化」
http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/qa/25/25-2/qa_25-2-j.html

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