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日刊 温暖化新聞|温暖化FAQ

温暖化すると、暑さのために亡くなる人が増えるとよく言われていますが、寒い日が減り、寒さのために亡くなる人も減るはずです。トータルでは、それほど問題にはならないのでは?

1年間の死亡者数を毎日の最高気温別に集計すると、以下のグラフのようになります(図1)。例えば、東京都で33℃を超える日が年間25日あり、その間に亡くなった人が合計で3,500人とすると、33℃を超える日の死亡率は140人/日となります。

(図1)日最高気温別死亡率

faq100709.gif
(Honda(1998)より転載)

このグラフを見ると、死亡率は気温が低いときに高く、気温が高くなるにつれて低くなり、ある気温で最低となった後に再び上昇に転じ、V字型のカーブを描くことが分かります。私たちは寒さにも暑さにも弱く、生活していくのに最も適した気温があるのです。では、暑い日が増えたり寒い日が減ると、死亡者数はどのように変化するのでしょうか。

地球温暖化で議論されているのは平均気温の上昇幅ですが、実際には平均的に高くなるわけではありません。年間10日あった猛暑日が30日に増えるかもしれませんし、猛暑日が1週間以上も続くことも考えられます。2003年にヨーロッパを襲った熱波では、35~36℃の日が10日間連続し、その間、死亡者数が急増しました。単純に、この気温における死亡率×日数では済まなかったのです。

一方、冬の気温が上昇しても、死亡者数はそれほど減らないと考えられます。冬季の死亡率には、インフルエンザが大きく関係していますが、気温が高くなってもインフルエンザの流行に大きな変化はないと思われるためです。

また、冬季には室温調整が比較的簡単です。暖房をすれば、室内は屋外より平均4.7度高く保てます。暖房を入れず部屋を閉め切るだけでも、屋外より平均1.4度高くできるのです。ところが夏季に冷房を使用しても、室内の平均気温は屋外よりわずかに0.6℃しか低くなりません。冷房による室温調整の効果は暖房ほど大きくなく、十分な適応策が取れないのです。

ただし、暑い日と寒い日の死亡者の大半は、循環器疾患や呼吸器疾患などで、熱中症や凍死など、高温や低温が直接の原因となる死亡はごく一部です。暑い日、寒い日になぜ死亡者が増えるのかについては、いろいろな説がありますが、まだよくわかっていません。今後きちんと評価していくことが必要です。

□参考資料
Honda, Y., Ono, M., J Risk Res. 1(3), 209-220, 1998

□詳しくはこちら
→独立行政法人国立環境研究所地球環境研究センター「ココが知りたい温暖化」
http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/qa/9/9-1/qa_9-1-j.html

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