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日刊 温暖化新聞|温暖化FAQ
温暖化の影響
最近、台風やハリケーンなどの強い熱帯低気圧による被害が増えていると耳にしますが、温暖化の影響なのでしょうか。
熱帯低気圧とは熱帯の暖かい海洋上で発生する低気圧です。そのエネルギーは、大気中の水蒸気が強い上昇気流で上空に持ち上げられて凝結し、液体の水になる際に発生する熱から生まれます。最大風速が一定の基準を超えた強い熱帯低気圧は、西部北太平洋では「台風」、東部北太平洋や大西洋では「ハリケーン」、インド洋や南太平洋では「サイクロン」と呼ばれています。
地球温暖化が進めば海洋からの蒸発が盛んになり、より大量の水蒸気が大気中に蓄えられます。そうした場合、ひとたび熱帯低気圧が発生すると、より強い熱帯低気圧に発達しやすくなります。最新の多くの研究では、温暖化が進んだ100年後の世界では、強い熱帯低気圧の発生数が現在より増えるという結果が出ています。
2007年に発表された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第4次評価報告書では、北大西洋では1970年ごろから、海水温度の上昇に伴って強い熱帯低気圧が増加している可能性が高いと報告されています。ほかの海域でも、それほど明確ではないものの、同様の増加傾向が示唆されています。
熱帯低気圧による被害は、その強度や経路、上陸数といった気象的要素、被害を受けた地域の経済的・社会的要素などに大きく影響されます。したがって、それがすべてとはいえませんが、温暖化の影響で被害が増加している可能性はあると考えられます。
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□詳しくはこちら
→独立行政法人国立環境研究所地球環境研究センター「ココが知りたい温暖化」
http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/qa/10/10-2/qa_10-2-j.html
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