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日刊 温暖化新聞|温暖化FAQ
温暖化のサイエンス
地球上には観測点が均一にあるわけではないのに、どうやって地球全体の平均気温を求めるのですか。
陸上の気温データについては、現在では世界に7000前後の観測地点があります。欧米などには非常に密に存在している一方で、サハラ砂漠やシベリア北部、アマゾン奥地などでは、数百キロに1カ所程度の割合でしかありません。地域的な分布にはかなりのばらつきがありますが、平均気温の算出には大きな影響はありません。
地球の平均気温を求めるにあたっては、陸上のデータだけでなく、海洋のデータも考慮されています。
海洋上の大気温度には海洋表層の海水温度が代用されています。海洋表面の水温は、昔は船上からバケツで海水をくみ上げて計測していましたが、現在はさまざまな船舶の取水口近くに設置した温度計で計測されています。
地球の平均気温は、こうして集められた気温データをもとに、次のように求められます。
まず、各観測点の気温の平年値(国際的には 1961~90年の平均値)からの差である平年偏差を求めます。次に、地球を緯度5度×経度5度のマス目に区切り、その中にあるすべての観測地点の平年偏差を単純に平均して、マスごとの平年偏差を出します。マスの面積は赤道から両極に向かうほど小さくなるので、最後に面積によって重み付けをすることで、全球平均気温が算出されます。
なお、地球の平均気温データには、さまざまな要因で見かけの変化がもたらされる可能性があります。そこで、例えば都市化など、観測点の環境変化については、周辺の観測点との気温差が年々増大している地点を除く、といった対応が取られています。
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□詳しくはこちら
→独立行政法人国立環境研究所地球環境研究センター「ココが知りたい温暖化」
http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/qa/2/2-1/qa_2-1-j.html
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