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日刊 温暖化新聞|温暖化FAQ
温暖化への取り組み
CO2排出量を減らす手段として、エネルギーに課税する「炭素税」という話を耳にしますが、本当に効果があるのでしょうか。新たな税を課すと、経済活動にダメージを与えるのではないでしょうか。
炭素税とは、石油やガスなどの化石燃料に対して炭素含有量に応じた税を課すことで、CO2排出の抑制をねらう経済的手法の一つです。
「エネルギーは価格弾力性(価格が上昇した場合に消費量がどれだけ減少するかを示す指標)が小さいから、炭素税を導入しても意味がない」という意見もありますが、私たちの暮らしやビジネスに長期的な影響を与えることも考えられます。
例えば、工場やオフィスで使う機械類、あるいは家庭用の電化製品にはどのような費用が必要でしょうか。購入時の「初期費用」に加え、購入後の使用時に必要な「運転費用」がかかります。
最新の省エネ機能が搭載された製品は、多くの場合、従来品より運転費用が安くなります。炭素税が導入されてエネルギー価格が上昇すれば、その差はますます大きくなりますから、購入価格が多少高くても省エネ製品を選ぶ人が増えるでしょう。省エネ型の製品が普及すれば、結果的に社会全体のCO2排出量が削減されると期待できます。
一方、炭素税を導入すると国際競争力が弱くなるなど、経済活動への影響を懸念する声もあります。しかし、省エネに取り組む事業者には炭素税以外での免税措置を講じるなどして、その影響を最小限に抑えることもできます。
炭素税の導入が進んでいる欧州でも、その税収をほかの税を軽減する財源として活用する事例が見られます。炭素税だけで考えるのではなく、別の政策と組み合わせることで、経済活動を大きく損なうことなく、社会全体のCO2排出量を削減することができるでしょう。
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□詳しくはこちら
→独立行政法人国立環境研究所地球環境研究センター「ココが知りたい温暖化」
http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/qa/11/11-1/qa_11-1-j.html
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