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日刊 温暖化新聞|温暖化FAQ

温暖化への取り組み

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「排出量取引」という制度では、温室効果ガスの排出削減量をほかの国や事業者からお金で買えるそうですが、それでは自分たちの削減が進まないのではありませんか。

排出量取引とは、世界の温室効果ガスを削減する手段として、京都議定書で導入された3つの仕組みの1つです。締約国に定められた温室効果ガス排出量の上限(排出枠)を超える場合、ほかの国から排出権を購入して、排出量の上限を引き上げることができます。

排出量取引制度のメリットの一つは、削減費用を最小限にできることです。排出削減のためには、よりクリーンなエネルギーの開発など省エネ投資が必要になりますが、削減費用が高い国では積極的な投資が望めません。一方で、削減費用の安い国では投資が進み、大幅な削減も見込めます。そこで、削減が進まない国が削減費用の安い国から排出権を購入することで、制度の参加国全体の削減費用を最小限にとどめた上で、排出削減の効果が発揮されると期待されます。

現在では、この枠組みを国内・域内に応用した制度の導入を各地で進める動きが盛んになっています。EUでは、2005年からEU域内排出量取引制度を導入し、米国でも州レベルでの検討が進められ、カリフォルニア州では導入が決まっています。

日本でも2008年から国内排出量取引が試行的に実施され、政府が制度設計を進めてきましたが、負担増を懸念する産業界からは反発の声も強く、導入論議は事実上凍結しています。先進的な自治体では、東京都が2010年から、埼玉県でも2011年から事業所を対象とした独自の排出量取引制度を開始しています。国内の削減を進めるために地域ごとの制度は有効ですが、今後、国全体の制度設計と各地域の制度をいかに整合性のあるものにするかも問題になってくるでしょう。

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□参考
→独立行政法人国立環境研究所地球環境研究センター「ココが知りたい温暖化」
http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/qa/17/17-2/qa_17-2-j.html
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