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日刊 温暖化新聞|温暖化FAQ

温暖化への取り組み

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温暖化のように長期的な対策が必要な問題に対しては、急いで取り組むより、当面は研究開発に投資して、将来その技術で効果的な対策を講じるほうが合理的ではないでしょうか。

地球温暖化対策は、究極的には将来の温室効果ガス濃度の安定化を目指すものですから、今すぐに排出量を減らさなくても、数十年後により多く減らせるのであれば、最終的には同じ目標を達成できそうに思えるかもしれません。将来的に技術革新が進めば、各個人が現在の生活パターンを維持したまま、排出量を減らせるようになるかもしれません。

一方で、将来の技術開発だけに解決を委ねる発想にはリスクもあります。理想的な技術が開発・普及される保証がないこと、失敗した場合は手遅れになる恐れがあること、気温上昇の幅だけでなく上昇速度も問題となるため、排出量の急激な増加を抑えることが重要なこと、といった点です。将来世代に大幅な排出削減を求めることは、世代間の公平性という観点からも問題があるでしょう。こうしたことからも、短期的な視野で見た費用対効果だけで対策の実施時期を判断するのは適切ではないといえます。

2006年に公表されたスターン・レビューは、地球温暖化による将来の影響の大きさと、対策に必要な費用とを経済学的に比較した上で、「今すぐ」対策を講じる必要性を論じました。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第4次評価報告書でも、過去100年間で世界平均気温はすでに 0.74℃ほど上昇していて、今後適切な対策を怠れば、21世紀中にさらに数度上昇すると予想されています。

つまり、温暖化の抑制に必要な排出量の大幅削減を、今やるか将来やるかではなく、今も将来も対策を実施しなければならないのです。今から減らせる部分は減らしつつ、同時に数十年後を見越した技術開発も進める必要があるでしょう。

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□詳しくはこちら
→独立行政法人国立環境研究所地球環境研究センター「ココが知りたい温暖化」
http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/qa/6/6-2/qa_6-2-j.html
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