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日刊 温暖化新聞|エダヒロはこう考える
2010年01月08日
2010年を迎えて想うこと
明けましておめでとうございます!
この数年間、特に昨年1年間を振り返ると、「世界も日本も望ましい方向に進みつつあるなあ」と思います。
もちろん、COP15で願っていたような進展がなかった、国内でも25%削減の目標は出たものの、具体的な政策メニューはまだほとんどない、相変わらず「温暖化対策をやると、経済にマイナスになって、家計も苦しくなるぞ」という産業界のコミュニケーションが新聞に載っているなどなど、がっかりすることも、足りないことも、逆行する動きも多々あります。
それでも、数年前に、「数年後には、サミットでも国会でも産業界や環境省以外の省庁での会合でも、あらゆる分野の企業の念頭所信でも、必ず『環境』『温暖化』が出てきますよ。多くの企業がこれからの競争力を環境対応力で規定し始め、そのための投資や技術開発、ビジネスモデルの変革を競い始めますよ。人々も、身を粉にして働いて、そのお金でモノをガンガン買って所有して幸せを感じようとするよりも、みんなで共有することを選んだり、お金よりも自分のやりたいことを大事にしながら生きるようになりますよ」と言ったら、「いつかはそうなるかもしれないけど、数年では無理じゃない?」と言われたのではないかと思うのです。
暮れの大掃除で、2002~2004年頃の資料やメモが出てきました。それからわずか数年なのに、こんなに大きく変わりはじめている!とびっくりし、うれしく心強く思いました。
ぽたぽたと雨滴は1つ、2つと集まってできていった水たまりが、いよいよ「こちらだ!」という方向を見つけて流れ出したかのようです。望ましい方向への流れは、途中で幾多の水滴が合流しながら、どんどんと大きく、加速していきます。あっという間に、新しい時代へ向けての激流になることでしょう。
川の流れにも、よどみもあれば、分子レベルで言えば、逆流しようとする水の分子もあちこちにいます。目先の利益や私利私欲に突き動かされて、長期的に本質的に大事にすべきことを軽んじようとする動きは、日本でも世界でも、これからも続くでしょう。急流でも逆行しようとする水の分子はいるのですから。
でも、全体としての流れが正しい方向に向かっていく動きは、もう止められないレベルの勢いがついた、と思うのです。残念ながら、温暖化や生物多様性をはじめとする地球の環境問題と私たち人類への影響の悪化が進行していきますから、ますます、変化へ向けての勢いは増していくことでしょう。
すでにその地球規模の流れの中に位置する私たちの役目は、流れができるだけ効果的に正しい方向に向かっていくようにプッシュしていくこと、そして、逆行する水の分子の力に負けないだけの「向かっていく水の分子」を結集していくことです。
昨年、何度も「本当に面白い時代に生きているなあ! うれしいなあ!」とつくづく思いました。私、サーフィンはしたことがありませんが、この時代の波乗りは本当にエキサイティングでわくわくするでしょう!
慎重に、そして大胆に。
しっかりと考えて、でも完ぺきはめざさないで。
進んでいくのが大変だと思ったら、振り返って、これまでに進んできた距離を見てみよう。こんなに進んできたじゃない?って。
私たちの働きかけで、時代が変っていけば、私たちの働きかけや役割も変わってきます。「これまでこうだったから」にこだわらないで、「今、いちばん効果を発揮するにはどうしたらいいかな?」を考えよう。
私も「自分の活動や存在が、時代や社会を少しでもプッシュする上でもっと役立つには?」を考えていきたいと思っています。例年にも増して、変化の必要性を感じ始めているので。
昨年、その参考にしたいとメールニュースでアンケートをお願いし、数十人の方々から回答をいただきました。本当にありがとうございました。個別のお返事は出せませんが、ひとつずつ大事に参考にさせていただきます。
2011年の年頭には「へぇー、この一年でこんなにいろいろなことが進んだのですね!」という話をしていることでしょう。どんな「いろいろなこと」がどのくらい進むのか、それは、私たち一人ひとりの思いと行動が決めていけることです。それぞれのペースで、それぞれの立場と役割で、変化を楽しみながら、時代の流れを推していきましょう!
今年もいろいろ考えたり、試したりしながら、「伝える・つなげる」活動を進めていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。