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日刊 温暖化新聞|エダヒロはこう考える
2011年03月18日
この状況で私たちにできる・すべき(長期的に)いちばん大事なこと
震災後、「今、わたしたちにできること、すべきことは何でしょうか?」という質問をよくいただきます。
義援金を送ること、救援物資を集めること、できるかぎり、節電・省エネすること……いろいろできること・すべき行動があります。
それだけではありません。
いろいろな情報を得ること。1つの情報に踊らされずに、自分で考え、判断するための枠組みを作っていくこと。いろいろな人に話してみること。いろいろな人の考えに耳を傾けてみること。そして、自分で考えること。
このように「行動レベル」「思考レベル」で、できること・すべきことはいろいろあります。
それだけではありません。
たぶん、短期的というよりは中長期的にいちばん大事なことは、この状況の中で、「どういう日本であってほしいの?」を心に描くこと。
日本が地震国であり、これからも大きな地震の可能性と共存しなくてはならないことは変えられません。
でも、今回の悲劇をこれ以上繰り返さないために、「どういう町だったら安心して暮らせるの?」「日本の社会を動かすエネルギーはどうあれば安心なの?」などなど、「こうあってほしい」暮らしや町づくり、エネルギーや経済・社会のあり方を描くことはできます。
エネルギーにしても、社会の構造にしても、いまのあり方であり続ける必要はない。いまのあり方は、これまでのさまざまな思いや動きの帰結なのですから、みんなで描けば、きっと「ありたい日本」に向かって、国を立て直していくことができる。私はそう思うのです。
目の前の支援・節電活動、ふだんよりも慌ただしく忙しいお仕事に、きっととても忙しくしていらっしゃる方が多いことでしょう。おうちでも、テレビをつけたり消したり、何となく心落ち着かない思いの方も多いでしょう。
でもできたら、ときにはふーっと深呼吸して、いまは目の前の事柄に対処しなくちゃいけないけど、でも「どういう日本であってほしいの?」「今回の事態をきっかけに、どういう社会に、どういうエネルギーの仕組みにしていきたいの?」と、自分の心に聞いてみて下さい。
「素人考え」で大いにけっこう! この状況の中で、私たち一人一人が何を思い、何を心に描き、何を願うかが、国を動かし、次の時代の日本の姿を作っていくのだと信じています。