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日刊 温暖化新聞|エダヒロはこう考える
2010年12月21日
「反論力を鍛える勉強会」をやってみました
半分雑談ですので、お暇なときにどうぞ~。
8月上旬のある日、温暖化関係などいつも情報交換などしてもらっているWWFの小西さんといっしょに、次のメールを知り合いの環境NGOメンバーや温暖化に取り組んでいるジャーナリストに送りました。
~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~~
【反論力を鍛える勉強会へのお誘い】
○○さま
温暖化問題に取り組む同志、イーズ代表の枝廣淳子とWWFジャパンの小西雅子
から、心を込めて、お誘いのメールをお送りします。
経済産業省で環境政策課長等を務め、現在、21世紀政策研究所研究主幹をつと
めている澤 昭裕さんが「エコ亡国論」という本を出されました。
ウェッジなどでも澤さんの議論はお読みになったことがあるかもしれません。産
業界からよく聞く意見を、説得力をもって展開されています。
このように自分とは違う意見に対して、「ケシカラン」で切って捨てておしまい
にするのではなく、きちんと反論できる力をつけないといけないなあ、と、政府
の委員会などの機会によく思います。
自分の意見を言うのは得意だけど、産業界など違う意見の人々に反論されたり、
質問されたりしたときに、じょうずに反論しかえすことがなかなかできないなあ、
ともどかしく思われたこと、ありませんか?
きちんとした反論力を鍛えていくことは、日本の環境NGOや関心ある市民にとっ
て、とても大事なことではないかと思い、このたび、「反論力を鍛える勉強会」
をおこなうことにしました。
趣旨に賛同して、澤さんご自身も参加し、私たちの反論を受けて下さいます。澤
さんを相手に、反論する力を鍛え、学び、今後の活動につなげていきませんか。
ぜひご参加下さい~。
この勉強会は、効果的におこなうために、少人数でおこないます。このメールを
受け取った方およびその方が推薦する方のみの、招待ベースで参加者を募ります。
(ですので、推薦される方以外には本メールは転送しないで下さい。このメール
を受け取った以外の方のお申し込みには、推薦者のお名前を添えて下さい)
< 記 >
●日時:8月25日
●スケジュール:
10:00~15:00 事前勉強会:
NGOと市民側の参加者が集まり、予め各自で読んで反論ポイントを考えてきた
『エコ亡国論』をもとに、どこに焦点を当てて、どのように反論を展開するか、
作戦を練ります。
午前中から無理な方は、13時からご参加下さい。それ以降の参加は、十分な準備
ができないおそれがあるため、ご遠慮下さい。
15:00~18:00 澤氏を囲んでの勉強会
私たちの反論をぶつけ、澤さんに応えていただきます。澤さんは決して戦いやす
い相手ではありませんが、だからこそ、よい練習台になってくれるはずです。
18:00~懇親会(希望者のみ)
澤さんも参加してくれますので、反論のつづきもよし、自分の反論の改善のため
のヒントをお互いに話し合うのもよし、ただ飲んでしゃべるのもよし。
●定員:10~15名ほど
より効果的な活動のための研修の機会として、ぜひご活用下さい。
ご一緒できますことを心から楽しみにしております。
どうぞよろしくお願いいたします。
枝廣淳子・小西雅子
~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~~
国のレベルでまたは地域のレベルで温暖化に取り組んでいる主なNGOを始め、20人近くが集まり、「反論力を鍛える勉強会」を行いました。
自分に対する反論を練っている環境派の集まりに、単身乗り込んで反論を受け、対応することを快く引き受けて下さった澤さんの勇気に感謝~。(^^;
澤さんがいらっしゃる前の4時間、澤さんとの勉強会の3時間、熱心な議論を展開し、懇親会には経産省からの参加もあって、夜が更けるまで盛り上がりました。
環境NGOの参加者から、「澤さんは悪意をもってああいう議論を展開しているわけではないことがわかった。澤さんの立場や見方からすると、確かにそう考えても不思議ではないと思った」という感想が寄せられる一方、澤さんは「環境NGOといっても十把一絡げではなく、いろいろな意見があることがわかった。産業界や自分をあんなに強く意識しているとは思ってもいなかったので、びっくりした」と。
今回、このような試みをやってみたのは、お誘いメールにも書いてあるように、産業界と環境派が、お互いに自分の主張だけしていて議論できていないなあ、と思うからです。
自分の主張をどう構成して効果的に展開するかは、それぞれ考えていますが、違う考え方や見方が出てきたときに、「あいつらは何もわかってない、ケシカラン」で無視する、場合によっては恫喝・非難・いじけ・むくれ・傷心・するということも稀ではありません。。。
人の意見を聞くことは「イコール相手に賛成すること」ではありません。きちんと話を聞いて、その上で、「なるほど、あなたはこう思っているのですね。私はこう考えているのです」と、自分の意見を言えばよいのに、なかなかそれができずに、違う意見が出たとたんに、反論を始めたり、耳をふさいだり、ということ
が多いなあ、と。
そうではなく、安心できる場で、相手の意見をまずは聞いてみる、それに対する自分の意見を形成し、伝えてみる。それに対する相手の再反論をじっくり聞いて、また考えてみる--こうして、冷静に反論する力を鍛えることができるのではないか、と思いました。
今回の勉強会、参加者によって感想はさまざまでしたが、ぜひ今後もこういう機会を作れれば、と思っています。
ところで、なぜ「安心できる場」として、澤さんに登場をお願いしたのか?
澤さんと私が初めて出会ったのは2年ほど前、ある仕事で中国での国際会議に参加したときです(澤さんは日本の産業界を代表して、私は日本のNGOの視点を伝えるために)。搭乗を待つ間、成田空港のラウンジでご一緒したのでした。
お目にかかるのは初めてでしたが、もちろん澤氏の活躍ぶりは存じており、自分の立場や考え方の「対極」(平たい言葉でいえば敵?)みたいな方だと思っていました。澤さんもきっと同じように思っていらしたのではないかと思います。
ともあれ、たまたまラウンジで二人になっちゃったので、お話をしました。環境政策をめぐる話をしていたのですが、「ああ、そうなのか!」と思ったのは、搭乗時間が来て、話を終えて席を建とうとしたときに、澤さんがおっしゃったひと言でした。
「環境NGOの人で、僕の話を最後まで聞いたのはアナタが初めてです」
ああ、そうなのか・・・。
この中国出張がきっかけとなって、その後は澤さんの関係するパネルに呼んでいただいたり、年に何回かお会いして、そのたびに「意見は違うけど、面白い人」と(きっと互いに)思って過ごしています。
こうしたご縁があって、澤さんに来ていただくことにしたのでした。
……という美しい出会いがあって、この場に来ました、と澤さんが最初の挨拶で言ってくれるかな~?と思っていたんですね。
そうしたら、澤さん「エダヒロさんと最初に出会ったのは、中国出張の時でした。そのとき、信条の違い以前に……」の次に言ったのが、「よく食べる!よく飲む!体小さいのに。びっくりしました~」ですって!
あちゃ~!(^^;