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日刊 温暖化新聞|エダヒロはこう考える
2011年04月18日
お茶を飲みながら、エネルギーの話をしよう
最近、電車の中でも喫茶店でもどこでも、電力やエネルギーに関するおしゃべりをよく聞きますね。(って自分もしゃべっているけど。^^;)
これまで、エネルギーや電力について、専門家や関心の高い人々は別として、ふつうの人たちが口にすることは、そんなになかったように思います。だって、停電もなかったし、コンセントからいくらでも電気は出てくるから、コンセントの先に何があるかなんて考える必要なかったし、電力会社や電気の種類を選べるわけでもないし。
でも、東日本大震災・東京電力福島第一原子力発電所事故を受けて、日本のエネルギーについて多くの人が「ワガコト」として考え始めていることを感じます。
この間、1000余人の市民を対象におこなった「日本の30年後の電力」についての世論調査でも、最後に「このアンケートについての感想をお書きください」という欄に、「このアンケートをきっかけに、自分の考えを整理できた」「ふだん考えないテーマだったが、問いに答える中で、考えることができてよかった」と書いてくださった方々がけっこうな数いらっしゃいました。「問いの力」ですね。
最近の電車や町の会話を見ていても、このアンケートの感想を見ていても、これからの日本のあるべき姿、みんなが幸せに安心して持続可能に生きられる社会をつくっていくために、ひとりひとりが考えること、そしてまわりの人たちと「エネルギーどうしたい?」「私はこう思う、あなたは?」と対話をすることが大事な一歩だなあ、と。
そこで、友だちや近所の人たちと、お茶を飲みながら「電気がないと困るよねえ」なんておしゃべりしてみませんか?という「お茶飲みばなし<電力編>」を作ってみました。
http://ishes.org/news/siawaseken20110414.pdf
お茶飲み話では、どちらかが相手を説得しようとして話すわけじゃなく、「あら、そうなの~、ウチではこうなのよねー」なんて話しますよね。そういったノリで、正解や結論はないおしゃべり。そうやってしゃべってみる中で考えたり、相手の意見を聞いてみる中で気づいたり、そんな小さなことが実はとっても大事なんじゃないかなと思うのです。
でもそういった「対話」(ダイアログ)にあまり慣れていない(学校でも会社でもふつう習いませんからねぇ)私たちのために、対話の基本ルールもまとめてみました。
「お互いに話し、お互いに聞く」こと、「どちらが正しい」という“議論”ではないことを互いに理解するなど、お茶のみばなしを楽しむためのエチケットシートです。
http://ishes.org/news/teaetiquette20110417.pdf
両方のシートの内容を以下に紹介しますね。pdf版はステキなデザインをしてもらっているので、そのままダウンロードしたり印刷したりして、ぜひご活用下さい。ご自分の考えをメモする欄もあります~。
~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~
お茶飲みばなし <電気が止まると困るよねえ?>
1)
私たちの生活って、朝起きてから夜寝るまで、ううん、寝ている間だって、電気やガスやガソリンとか、いろいろなエネルギーのお世話になっているよねえ。電気やガスが止まると困るよねえ。
今回の東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故があって、アナタのエネルギーに対する考え方って、変わった?
どんなふうに?
なるほどねぇ。ワタシはこんなふうに思ったんだよ。
(ご自分のお考えをどうぞ)
2)
ところで、“10年ひと昔”っていうけどさ、30年前って、アナタ何してた? 何才だったの? え、ヒミツだって?(笑)
私たちの生活でも工場とか街とかでも、日本全体で電力を使う量って、増えているじゃない? 今と比べて、30年前の日本はどのくらいの電力を使っていたと思う?
なんと半分だよ。つまり、この30年で、私たち日本で使う電力は倍になったんだよねー。
じゃ、30年後はどうだと思う? 私たち専門家じゃないから、正解はいらないんだよ。(専門家だってきっと本当にはわからないしね) カンでいいの。今よりも増えているか? 減っているか? 同じか?
じゃ、どうしてそう思うの?
なるほどねえ。私はこう思っているんだ。
(ご自分のお考えをどうぞ)
3)
ところで、その電力を作る発電だけど、今回問題になっている原子力発電のほか、太陽光とか風力とかの自然エネルギーもあるじゃない? あと、昔からの水力発電とか、石油・石炭・天然ガスを燃やす火力発電もあるよね。
今の日本の電力全体を100としたら、それぞれがどのくらいずつ発電していると思う? もちろん正確な数字をぽっと答えられる人なんて、めったにいないから、「こんな感じ?」というのでいいから。
ふむふむ。
2008年のデータを教えてもらったんだけどさ、いちばん多いのが火力発電で、石油12、石炭25、天然ガス28で、合計すると100のうち65を発電してるんだって。天然ガスが石油より多いって、ちょっとびっくりじゃない?
で、原子力発電が26。日本で使っている電力の全体の4分の1は原子力なんだね、、、2008年の時点ではってことだけど。
それから、水力発電が8で、水力以外の太陽光や風力みたいな自然エネルギーがなんと1。太陽光発電ってわーわーいっているけど、全体の中ではまだ、すずめも泣いちゃうほど少ないんだね。
4)
で、これは今の話なんだけど、30年後を想像したら、私たちが使う日本の電力、何で発電していてほしいと思う?
たとえば、でいいから、この円に「こうだったらいいな」っていう割合で線を引いてみてくれない? そのとおりになるかなんてわかんないけど、「こうだったらいいな」ってイメージでいいから。
なるほどねー。原子力発電はこれぐらいで、自然エネルギーがこれぐらいで、火力発電がこれぐらいだったらいいなってイメージなんだね。私はねぇ、こんなイメージなんだよ。どうしてかっていうと……(ご自分のお考えをどうぞ。)
それにしても、今回の震災・原発事故があってから、これまであんまり意識しなかったエネルギーについても考えさせられるよねぇ。
電気なんて、コンセントから自動的に出てくるみたいに思ってたけど、それは必ずどこかで何かを使って発電しているわけで、そのつながりを前よりは意識するようになった気がする。
どのくらいの電力が必要なのか、どうやって発電するのがよいのか、私たちももうちょっと考えないとねー。
(よかったら、話をしてみて気づいたことや、もっと知りたいこと、考えたいことなどをメモして下さい。次の会話につながるかもー。)
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お茶飲みばなしを楽しむためのエチケット
● “お互いに話し、お互いに聞く”こと
・自分が話したら、同じぐらい相手の意見や思いも聞こう
・相手の意見や思いを聞いたら、自分でも同じぐらい話そう
(シーソーと同じ。どちらかに偏っていては気持ちよく進まないもの)
●「どちらが正しい」という“議論”ではないことを理解しよう
・結論を出す必要はまったくないことをお互いに確認しよう
・相手を説得しようとしないこと
・自分の考えをむりやり相手に合わせようとしないこと
・相手が自分とは違う意見を言ったら、否定や反論するのではなく、「なるほどねー。そう考えているんだね」と、それはそれでそのまま素直に聞こう。
・それから自分の意見をその横に並べるようなつもりで、「私はこう思うんだよ」と自分の考えを話そう
●素直に好奇心を持とう 相手にも、話の展開にも
~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~
「お茶飲みばなし<電力編>」
http://ishes.org/news/siawaseken20110414.pdf
お茶のみばなしを楽しむためのエチケット
http://ishes.org/news/teaetiquette20110417.pdf
よかったら、お茶飲み話・対話の基本ルールのシート、使ってみての感想やコメントをお寄せ下さい。
「市民力は対話力から!」 私も含め、鍛えていきましょう~。