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日刊 温暖化新聞|エダヒロはこう考える

20110418

「原子力か、化石燃料か」ではなく、「原子力でも化石燃料でもない世界」へ

「日本のこれからのエネルギー・電力」についての議論が盛んになっています。

繰り返し書いているように「短期と中長期と区別して考える」こと。そして、「どの選択肢にもマイナス面がある。それぞれのプラス面とマイナス面を比べて、総合的に判断する」ことが大事ですよね。

いまこの夏の電力不足解消に向けて、火力発電(新規建設は間に合わないので、使っていなかった火力発電所をもう一度立ち上げるなど)が増えています。設備はすでにありますから、立ち上げのスピードはプラス面でしょう。

一方、言うまでもなくCO2が増えてしまうことはマイナス面ですよね。加えて、化石燃料の値段が上がっていますから、火力発電を使えば使うほど、日本から海外へとお金が出ていってしまいます。これもマイナス面ですね。

自然エネルギーは、CO2がほとんど出ない、日本から燃料を買うためのお金が流出しない、(じょうずに設計すれば)地域に産業や雇用を生み出せる、などのプラス面があります。

そしてもちろん、自然エネルギーといっても、欠点ゼロではありません。たとえば、よく言われるのは、「風力発電のタービンに鳥がぶつかって死んでしまう(バードストライクと言われています)」というものです。

それは事実ですが、「だから風力は×」というのも極論ですね。もし、鳥たちがぶつかって死ぬのが風車だけだったら、「鳥の命か、風車か」となるかもしれませんが、鳥はいろいろなものにぶつかって死んでいるそうです。

「鳥は何にぶつかって死んでいるか?」を米国風力協調委員会(NWCC)の01年報告で見ますと、
風力発電:4万~1万羽
建物の壁や窓:9億8千万~9800万羽
送電線:1億7400万羽以下
自動車:8千万~6千万羽
通信用の塔:5千万~400万羽
とのこと。

数が少ないからよい、という意味ではなく、「風車にぶつかって死ぬ鳥がいるから、風車は×」という結論にいく前に、一歩引いて、「鳥は不幸にも何にぶつかって命を落としているのか?」の全体像を見ることも大事、と思うのです。

アル・ゴア氏は『不都合な真実』につづく、問題解決編の『私たちの選択』のなかで、1章を風力発電にあてていますが、このバードストライクについて述べたあと、このように続けています。

『私たちの選択』 アル ゴア (著), 枝廣 淳子 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/dp/4270005513?tag=junkoedahiro-22

~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~

化石燃料を用いる発電所から排出される二酸化炭素は、地球温暖化の主要な原因の一つであるが、ある研究によると、温暖化によって世界のすべての鳥類の4分の1以上が絶滅する可能性があるという。そうは言っても、鳥がこれ以上死なずに済むように風力タービンの設計を改善することが望ましいし、技術者はこの問題に懸命に取り組んでいる。

鳥の大群が風力タービンに近づいてきた場合に、必要に応じて運転を停止できるよう、その接近を検知できるセンサーの実験が進められている。

~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~

エネルギーについては、「短期・中長期」両方の時間軸で、「プラス面・マイナス面」をそれぞれみながら、考えていきましょう。

私は、いろいろなプラス面・マイナス面を考えあわせると、中長期的には「脱原発+脱化石燃料+自然エネルギーへのシフト」が必要だと考えています。上記の風力タービンセンサーのように、マイナス面はできるだけ「やり方や技術」で減らしつつ、また需要そのものを減らしつつ、ですね(原子力だろうと自然エネルギーだろうと、需要が増え続けるとしたら、絶対にまかなえなくなるからです)。

新聞でもテレビでもネットでも、「日本のこれからのエネルギー」についての話題が出たら、「これは短期の話?中長期のこと?」「プラス面だけ言っているけど、マイナス面は?」「マイナス面だけ言っているけど、プラス面は?」と、自分なりに整理し、メディアでは言っていないことも組み合わせて考えましょうね。

短期的に決断を迫られると、「短期的なプラス・マイナス面」だけで判断しようとしてしまいがちです。「原発が×なら、しかたない、火力発電だ」みたいに。

以下のジャストミーンズの記事、そういう観点から参考になるので、ご紹介したいと思います。(米国向けに書かれていますが、日本と置き換えて読んでいただければと思います)

~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~

http://www.es-inc.jp/news/001982.html

「ドイツ、原子力か化石燃料か、という間違った選び方を退ける」
ニック・エンゲルフリード

2011年3月24日米国中央部夏時間7:00am(日本時間2011年3月24日9:00pm)
http://www.justmeans.com/Nukes-or-Fossil-Fuels-Germany-Rejects-False-Choice/47586.html


日本の福島原子力発電所の惨事を受け、ドイツは化石燃料への依存度を高めることなく原発廃止を目指す計画を発表した。再生可能エネルギーへの投資を増やすことによって、ドイツ政府は原子力エネルギーに内在するリスクを避けつつ、同時に気候変動と闘う考えだ。この計画が成功すれば、さらに環境にやさしい電力網に転換したいと考えている他の国々にとっての一つの模範を示すことができるだろう。

ドイツは2000年に原子力廃止法(Nuclear Exit Law)を可決し、国の原子力への依存を2021年までに廃止することになっていた。しかし、ここ数年はこの法律を修正し、原子力発電所の寿命を延長しようというアンゲラ・メルケル独首相からの圧力がかかっていた。2010年にはメルケル首相の支援で、政府は原子力発電所の閉鎖期限をさらに12年延長した。この戦略は当初から国民の評判が良くなく、日本で起こったことが、ドイツに反原子力熱の新たなうねりをもたらした。

それに応じ、メルケル首相とほかの政治指導者たちは、原子力エネルギーに関する見解を翻し、原子力のない未来を再び推進している。

メルケル政権は、原子力発電所を停止させるプロセスを、原子力廃止法に当初提示された期限より、場合によってはさらに短縮しようと考えている。しかしながら、原子力からの転換が石炭や他の化石燃料の燃焼を大幅に増やすような大きな動きを推進しなかったことは注目に値する。

それどころか、ドイツは原子力発電所と風力・太陽エネルギーといった再生可能なエネルギー源を置き換えようと計画している。一層素晴らしいのは、一部ではドイツよりも風力、太陽光ともに豊富にある米国のような国々に備わる膨大な再生可能資源が、ドイツには乏しいという事実である。ドイツが原子力と化石燃料とを同時に段階的に廃止していくことができれば、他国も同じことが可能なはずだ。

現在ドイツは米国と同様に、国内全体の1/4弱の電力を原子力で賄っている。ドイツには17カ所の原子力発電所があり、最古のものがまず停止される見込みだ。

ドイツはすでに再生可能エネルギーのリーダーで、現在全電力需要量の17%を再生可能エネルギーで賄っている。ドイツ政府はこの数字を10年以内に40%まで引き上げることを目指しており、2050年までに再生可能エネルギー100%の経済にする計画である。

これは全て、「各国は化石燃料か原子力のどちらかを選ばなければならない」と考える米国で一般的に遭遇する思い込みには相対するものだ。ドイツは、化石燃料と原子力の推進派が予測した深刻な結果を全く招くことなく、両方をうまく廃止する態勢を整えたようだ。ドイツはこれを推し進め、再生可能エネルギー源を利用するために送電網を調整することは問題ないと見込んでいる。米国にも同じことが十分できるはずだ。

福島原子力発電所は、現代の原子力が安全ではないことを示した。一方で気候変動が続いており、化石燃料からの転換の緊急性は日々高まっている。地球の居住性がこれらの2大脅威にさらされる中、問題は原子力発電所と火力発電所のどちらをつくるかではない。むしろ、どれだけ迅速に世界がその両方から移行できるかなのである。

~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~

「原子力か、化石燃料か」ではなく、「原子力でも化石燃料でもない世界」への移行は可能です(「ただちに」ではないですよ。「ただちには無理」だからといって否定する必要もないですよね? 30年後、50年後にどうなっていたいか、です)

そのための技術開発も実用化も、日本でも世界でもぐんぐん進んでいるのは、本当に心強いことです。
去年、この「エダヒロはこう考える」コーナーで、こういうご紹介をしています。

2010年06月02日
原発10基分!日本の洋上風力発電の可能性と取り組み
http://daily-ondanka.es-inc.jp/edahiro/2010/20100602_1.html

最近の日刊 温暖化新聞の記事を見ていても、各国/世界の再生可能エネルギー・シフトの元気な足音が聞こえてきそうです。いくつかご紹介しましょう。見出しだけでもわくわくしてきますよ。ニュージーランドでは電力の4分の3近くを自然エネルギーでまかなっているって、ご存知でしたか?

2011年04月07日
IEA報告書:ニュージーランドの再生可能エネルギー発電、2009年は73%
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2011/20110407_1.html

2011年04月04日
オレゴン州全域でクリーンエネルギーワークス計画始動、雇用創出と省エネに期待
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2011/20110404_1.html

2011年04月02日
持続可能な方法で生産されたバイオ燃料の認証システム、始動へ
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2011/20110402_1.html

2011年03月30日
英スコットランド政府、世界最大の潮流発電プロジェクトを承認
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2011/20110330_1.html

2011年03月22日
2010年、独の再生可能エネルギーの割合は17%へ、雇用は37万人へ増加
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2011/20110322_1.html

2011年02月21日
カナダ政府、ディーゼル燃料と暖房用燃料に再生可能燃料の含有を義務付けへ
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2011/20110221_1.html

2011年02月19日
米国内務長官とエネルギー長官、大規模な洋上風力イニシアチブを発表
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2011/20110219_1.html

2011年02月16日
英国、新たな職業技能アカデミーでグリーンな未来の構築を後押し
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2011/20110216_1.html

2011年02月08日
米国:NOAAの気象・気候情報を利用して再生可能エネルギーを推進
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2011/20110208_1.html

2010年12月30日
米エネルギー省、世界最大級の風力発電プロジェクト融資保証を最終承認
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2010/20101230_1.html

2010年12月27日
豪政府助成金により太陽光発電を導入する学校が増加
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2010/20101227_1.html

2010年12月22日
英ロンドン、市バス用に導入する水素バス第1号を発表
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2010/20101222_1.html

2010年12月20日
米国、クリーンエネルギーに関する輸出振興のためのイニシアティブを開始
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2010/20101220_1.html

2010年10月01日
世界最大の洋上風力発電所、イギリス海峡で正式に始動
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2010/20101001_1.html

2010年09月15日
米国の各プロスポーツリーグ、競技場で太陽エネルギーを利用
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2010/20100915_1.html

2010年07月10日
オーストラリア、クリーンなエネルギーの将来に向け前進
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2010/20100710_1.html


2010年06月21日
オバマ大統領演説、クリーンエネルギーへの速やかな移行を呼びかけ
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2010/20100621_1.html

2010年06月16日
米国:2009年の小型風力発電装置販売は15%増、世界の約半分を占める
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2010/20100616_1.html

2010年05月14日
米内務省、マサチューセッツ州沖合の洋上風力発電プロジェクトを承認
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2010/20100514_1.html

2010年05月12日
米国の太陽エネルギー、2009年も堅調な成長
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2010/20100512_1.html

これからも日刊 温暖化新聞では、エネルギーシフトへの足音が聞こえる記事をお届けしていきます。どうぞお楽しみに~!

 
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