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日刊 温暖化新聞|温暖化ニュース
2008年07月19日
南極大陸から分離寸前のウィルキンス棚氷 欧州宇宙機関が衛星画像を公開
(欧州宇宙機関より)
欧州宇宙機関(ESA)は7月10日、南極のウィルキンス棚氷とシャルコー島をつなぐアイスブリッジが崩壊寸前であることを示す衛星画像を公開した。ウィルキンス棚氷は、シャルコー島との連結によって安定を保っているため、この部分が崩壊すると棚氷は南極大陸から分離してしまう可能性がある。
この動画は、同機関の地球観測衛星「エンビサット」が搭載する次世代合成開口レーダ(ASAR)が、今年の5月30日から7月9日にかけて観測したもの。ウィルキンス棚氷で発生した大規模な崩壊を捉えており、7月8日の画像では、アイスブリッジに生じた亀裂が確認できる。この崩壊で、同棚氷は約1,350平方キロメートルを消失したとみられている。
今年2月、同棚氷ではおよそ400平方キロメートルが崩壊し、シャルコー島につながるアイスブリッジの幅は6キロメートルにまで狭まった。そして5月30日から31日にさらなる崩壊が進み、アイスブリッジの幅はついに2.7キロメートルとなった。南半球の冬に大規模な崩壊が起きたため、科学者たちは頭を抱えている。
原因として、塩分躍層の下の暖かい水が同棚氷の底面に達し、急速に氷を溶かしている可能性が指摘されている。「我々は90年代初め、ウィルキンス棚氷は30年以内に消滅すると予測していたが、実際には想像以上のスピードで消滅している」と、英国南極局(BAS)のデビッド・ヴォーガン教授は述べている。
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2008/20080719_1.html
南極大陸から分離寸前のウィルキンス棚氷 欧州宇宙機関が衛星画像を公開