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日刊 温暖化新聞|温暖化ニュース
2008年11月13日
大気中CO2は現在の削減目標を達成しても増加し続ける--長期的戦略が必要
(英国ブリストル大学より)
地球の気候に大きな影響をもたらす二酸化炭素(CO2)は、たとえ現在の国家および国際レベルの削減目標が達成されたとしても、依然として増加を続けるだろうと予測する研究結果が「Environmental Research Letters」に発表された。これは、英国のブリストル大学が10月28日に伝えたもの。
ブリストル大学のジョー・ハウス氏を中心とした研究チームは、炭素循環に関連する気候変動フィードバックの最新の知見を取り入れて、先進8カ国(G8)の削減計画と英国政府のスターン・レビュー提案をコンピュータ・モデルで検討した。その結果、短期的な削減だけでは問題解決にならず、政策立案者は何百年か先の将来を見据えた計画を立てるべきだとしている。
G8の計画では、世界の排出量を2050年までに50%削減するとしているが、このシナリオでは、2050年以降も削減を継続しない限り、大気中のCO2濃度は、急速な上昇を続けるという。一方、スターンレビューでは、2050年までに排出量を25%削減し、その後さらに今世紀末にむけて80%削減することを提案している。この場合、CO2レベルは2100年までに500~600ppmの間で安定化し、気温上昇も2300年までには最大4.2℃でだいたい安定化すると予想している。
ハウス氏は、「CO2を550ppmあたりに長期的に安定化させるためには、世界の排出量を2300年までに81%から90%削減し、それ以降もさらに削減する必要がある。英国政府が打ち出した2050年までに80%削減するという計画は称賛に値する」と述べ、さらに、「英国だけでなく他の国々も共に今世紀末に向けて80%削減の目標を達成すれば、CO2レベルを安定化できることがこの研究により示された。しかしながら、さらなる削減のためには、長期的な戦略が必要である」と語った。
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http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2008/20081113_1.html
大気中CO2は現在の削減目標を達成しても増加し続ける--長期的戦略が必要