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日刊 温暖化新聞|温暖化ニュース
2011年10月18日
研究報告:将来の森林は、より多くの二酸化炭素を吸収する可能性がある
カテゴリー:生態系
(ミシガン大学より)
米国、ミシガン州アナーバー発-将来の森林は、これまで考えられてきた以上に、二酸化炭素(CO2)を吸収する能力を備え、地球温暖化の進行を抑えるのに役立つ可能性がある--米国・ミシガン大学の生態学研究者らによる新たな研究成果が、学術誌『Ecology Letters』のオンライン版に掲載された。同大学が、10月13日付のプレスリリースで伝えている。
同大学の微生物生態学者であるドナルド・ザック氏は、今世紀後半に予測される大気の状態をシミュレートするため、1997年から2008年にかけて、ウィスコンシン州ラインランダーにある約15haの実験林で、アメリカヤマナラシ、アメリカシラカンバ、サトウカエデの林冠部に余分なCO2を継続して注入する実験を行った。
CO2は、熱を閉じ込めるだけでなく、樹木や植物に施肥効果を与え、成長を促進させる働きがあることで知られる。このため、気候や生態系モデルの研究者の間では、これから数十年のうちに、CO2の施肥効果によって、一時的に北部温帯林の成長が加速すると考えられている。
この点について、従来の研究は、急速な成長は一時的なもので、樹木が土壌から必須栄養素である窒素を吸収できなくなると、成長が急停止すると結論づけていた。しかし、ラインランダーの実験では、高濃度のCO2にさらされた樹木が、12年間にわたり、加速度的に成長を続けたことが明らかになった。
「生態系の応答に関する当初の推定は、いくつかの点で誤りがあるため、修正される必要がある」とザック教授は述べている。
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2011/20111018_1.html
研究報告:将来の森林は、より多くの二酸化炭素を吸収する可能性がある