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日刊 温暖化新聞|温暖化ニュース
2008年10月23日
研究報告:排出量で不当に批判される都市、実は解決策で大きな役割担う
カテゴリー:社会
(国際環境開発研究所より)
ロンドンの国際環境開発研究所(IIED)は9月25日、「都市は『人間活動による温室効果ガスの多くを排出している』と不当に批判されており、そのような状況が気候変動対策努力を脅かしている」とする研究論文を発表した。
「人間活動による総排出量の75~80%が都市から」とよく言われるが、同所のDavid Satterthwaite研究員らが気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のデータを使ってその割合を計算したところ、実際は40%程度であったという。一方、農業と森林破壊による排出量の割合は約30%、残りは主に地方に存在する重工業、化石燃料火力発電所および裕福な世帯からのものであったという。
また同論文では、「製品などは消費者の需要によって生産されるので、排出量の割合も生産地ではなく消費地を基準にすべき。そうすることで、温室効果ガス排出の問題は都市ではなく、(郊外にある空調のきいた大きな家に住み、世帯当たり自動車台数が多いといった)高消費をともなうライフスタイルをしている少数の人たちにあることがわかる」と訴えている。
またSatterthwaite研究員は、「排出源として都市を批判してしまい、実際は都市が解決策において大きな役割を果たしうるという事実が見過ごされている。計画的かつ行政体制の整った都市では消費水準や排出量を低く維持しながら高い生活水準を実現できる」と指摘している。
この研究論文は学術誌「環境と都市化(Environment and Urbanization)」10月号に掲載されている。
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http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2008/20081023_1.html
研究報告:排出量で不当に批判される都市、実は解決策で大きな役割担う