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日刊 温暖化新聞|温暖化ニュース
2008年11月06日
大気中のメタン濃度、2007年に再び上昇:MIT報告
(マサチューセッツ工科大学より)
地球の大気中メタン濃度はここ10年ほど安定した状態が続いていたが、2007年になって急増したことが、米国マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者を中心とした研究チームにより明らかになった。これはMITが10月29日に伝えたもの。
大気中のメタン濃度は、産業革命以前から3倍以上に増加した。しかしながら、最近は横ばい状態が続き、地球表面(湿地、水田、家畜、天然ガス・石炭産業など)からの放出率と、大気中のOHラジカルとの反応で分解される率がほぼ均衡しているとみられていた。ところが、2007年の初めからこの均衡が乱れ始めた。
メタンは北半球での排出が多く、1年以上かけて北半球から南半球へと混じり合っていくが、今回の増加の驚くべき特徴は、地球上の全観測地点でほとんど同時に観測されている点である。北半球での増加は、2007年を通じて観測されたシベリアでの気温上昇のため、湿地帯の微生物の活動が活発化したことが考えられる。しかし、南半気球での増加の原因ははっきりしない。一方、メタンを分解するOHラジカルの大気中濃度が低下した可能性もあるが、こちらもはっきりしていない。
この研究の中心となったMITの研究者マシュー・リグビー氏とロナルド・プリン教授によると、今後メタン濃度が継続的に上昇する状態に戻るのか、あるいは一時的な変動の始まりなのかを断定するのは、まだ早過ぎるという。しかし、メタンは二酸化炭素の25倍もの温室効果を持つことから、さらに注意深く監視する必要があるとしている。
DSR指標= DSR指標とは?
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2008/20081106_1.html
大気中のメタン濃度、2007年に再び上昇:MIT報告