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日刊 温暖化新聞|温暖化ニュース
2008年11月17日
研究報告:強力な温室効果ガス、従来の推定量よりも多く大気中に
(スクリップス海洋研究所より)
液晶パネルや薄膜太陽電池などの製造過程で使用され、二酸化炭素(CO2)に比べ1万7,000倍も温室効果が高いとされる三フッ化窒素(NF3)ガスの大気中の量がこれまでの推定量の4倍以上であることが、カリフォルニア大学サンディエゴ校スクリップス海洋研究所の研究チームによって明らかになった。同研究所が10月23日に発表した。
今回の研究では、過去30年間に米国西海岸とオーストラリアで採取された大気サンプルを分析し、実際の大気中濃度を測定した。その結果、1978年に0.02pptだったのが2008年には0.454pptと年間約11%の割合で増加していることが判明。大気中の蓄積量は、2006年に1,200トン未満と推定されていたが、実際には4,200トン、2008年には5,400トンであったという。また大気中濃度は、NF3使用量が南半球よりも圧倒的に多い北半球の方が高かった。
NF3は、同量のCO2に比べてはるかに温室効果が高く、大気中の滞留期間も5倍と長いが、その排出量が少ないことから地球温暖化への影響は少ないと考えられ、京都議定書の規制対象にはなっていない。しかし最近では、NF3使用量の増加傾向や実際の排出量が不明であることへの懸念を受け、「規制対象にすべき」と勧告する科学者も出てきている。研究チームリーダーのレイ・ワイス教授(地球化学)も「気候的観点から、NF3を規制対象の温室効果ガス群に加える必要がある」と話している。
この研究結果は、米国地球物理学連合の学会誌「地球物理学研究レター」10月31号に掲載されている。
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http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2008/20081117_1.html
研究報告:強力な温室効果ガス、従来の推定量よりも多く大気中に