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日刊 温暖化新聞|温暖化ニュース
2008年11月22日
研究報告:気候変動がもたらす北大西洋の異変
(米国コーネル大学より)
米国コーネル大学の海洋学者、チャールズ・グリーン氏の率いる研究チームが、米科学誌「エコロジー」11月号に発表した論文によると、北極圏における降雨の増加と氷の融解で、南向きの海流に淡水が流れ込み、冷水性・北方系の海洋生物種の生息域が北米大陸沿岸まで南下しているという。
過去50年の間に、北極の氷床や氷河が融け、冷たく塩分濃度の低い水が、北極海から北大西洋へと定期的に流出した結果、ノースカロライナ州に至るまでの生態系に劇的な変化が起きていたことが分かった。北大西洋では80万年以上も発見されなかった太平洋の微小藻類が、この10年で北極海から北大西洋に現れ始めたという。
ほとんどの生態学者は、温暖化で南方系の種の分布が北へと広がり、北方系の種は生息地を失うと考えている。これに対しグリーン氏らは、北極の冷たい淡水が、グリーンランド南方のラブラドル海から、北西大西洋の大陸棚沿いにノースカロライナ州まで流れ続け、北方系の種の多くが、実際には南へ移動していることを発見した。
過去の気候変動の記録を見ると、急激な寒冷化で、数年から数十年の間に気温が摂氏10度も低下した時期がある。しかし、「我々が今目にしている温暖化のスピードは、人類史上例を見ないものだ」と、グリーン氏は述べている。
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研究報告:気候変動がもたらす北大西洋の異変