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日刊 温暖化新聞|温暖化ニュース
2008年11月23日
EU研究報告:都市緑化が気候変動にもたらす効果
(欧州連合より)
気候変動を考慮するとき、気温上昇を抑えることは都市環境計画において重要である。欧州連合が11月11日に発表したところによると、新たな研究で、コンクリートや草といった都市における土地被覆のタイプが都市の気温にいかに影響するかが明らかになった。今回の研究結果は、都市における夏の暑さ対策として都市計画者の役に立つと思われる。
熱波の際の都市の高温は、死亡率増加と呼吸器疾患のような健康上の問題悪化とつながりがある。気候変動影響として気温は極端に上昇しているが、気温を下げる方法に都市計画を変えることが挙げられるという。
都市の気候は、その周辺環境の気候とは異なっており、一つの都市の中でさえ地面が何で覆われているかによって気温はかなり変化しうる。これまでの研究には緑の多い地域が建物が密集した市街地よりも平均で4℃低いことを実証したものもあったが、研究はいずれも冬に実施されたものだった。このたびの研究は中国南京市の研究者によるもので、7月から9月までの12日間にわたり、南京市内の「森林」「草」「水」「むき出しのコンクリート」という4つの土地被覆タイプごとの気温を比較、詳しい統計に基づく分析を行なった。
その結果、4つの土地被覆のうち、最も高温だったのはコンクリート。続いて、草、水、森林あるいは木陰の順番に高温を記録した。また、一日のうちで気温がピークに達したのは午後12時から2時までの間。コンクリートと木陰の間の平均気温差は5.3℃もあった。草や木で覆われた土地は、昼夜の気温差が激しいコンクリートに比べて一定の気温を維持した。
研究者によると、今回の研究で都市で気温を下げる対策として草木を植えることの重要性が強まったという。南京市の夏の気温は欧州南部のいくつかの地域のように40℃に達しかねない。気候変動による気温上昇に伴い、都市計画者は地表面の気温効果を考慮する必要があるだろう。
DSR指標= DSR指標とは?
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2008/20081123_1.html
EU研究報告:都市緑化が気候変動にもたらす効果