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日刊 温暖化新聞|温暖化ニュース
2008年12月04日
研究報告:海洋の酸性化、予想の10倍以上の速さで進行
(シカゴ大学より)
海洋の酸性化はこれまでの予想の10倍以上の速さで進行し、その進行は、大気中の二酸化炭素(CO2)濃度の上昇と関連しているとする研究結果が、米国科学アカデミー紀要の電子版に11月24日発表された。この研究は、米国シカゴ大学のティモシー・ウートン教授らの研究チームが、ワシントン州沖のタトゥーシュ島で8年間にわたり調査したもの。温帯地域沿岸部の海水の酸性度を調べた初の詳細データとなっている。
海水の酸性化が進むと、海洋生物に害が及び、また、海洋がCO2を吸収する能力も低下してしまう。これまで長い間、CO2の大気中濃度の上昇が海洋の酸性化を加速すると予測されていたが、実際の調査で立証できる証拠は少なかった。
海洋は地球の炭素循環の中で重要な役割を果たしているが、大気中のCO2が海水に溶けると炭酸を生じ、海洋の酸性度を高めることになる。海洋には、酸により溶解する炭酸カルシウムの殻や骨格を持つ生物も多く、サンゴ礁の形成や甲殻類の漁獲資源に悪影響を及ぼすことが考えられる。
「このような酸性化の進行は、海洋の食物網に深刻な影響を与えることになり、少なくとも一部の海域では、海洋酸性化がこれまで考えられていた以上に緊急の問題であることを示唆している」とウートン教授は述べている。
DSR指標= DSR指標とは?
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研究報告:海洋の酸性化、予想の10倍以上の速さで進行