本文の先頭です。
日刊 温暖化新聞|温暖化ニュース
2008年12月23日
研究報告:世界のサンゴ礁の1/5が死滅、残りの保全には排出量削減が不可欠
(国際自然保護連合より)
国際自然保護連合(IUCN)は12月10日、世界のサンゴ礁の19%が死滅しており、現在の二酸化炭素排出量の傾向が続けば、残されたサンゴ礁の大部分が今後20~40年以内に消滅する恐れがあることを示す報告書を発表した。
同報告書はIUCNが参加する地球規模サンゴ礁モニタリングネットワーク(GCRMN)が2008年の世界のサンゴ礁の状態をまとめたもの。サンゴ礁にとっての主な脅威は、海面温度の上昇や海水の酸性化などをもたらす気候変動で、過剰な漁業、汚染、外来種の侵入により状況はさらに悪化している。
IUCNの世界海洋計画(Global Marine Programme)を統率するカール・グスタフ・ランディン(Carl Gustaf Lundin)氏は、「このままでは50年以内に大気中の二酸化炭素濃度は倍増する。増加した炭素を吸収することで、海洋の酸性度はさらに高まり、サンゴ礁やプランクトン群集、ロブスターや海草など、幅広い海洋生物が深刻な被害を受けるだろう」と述べた。
明るい側面として、世界のサンゴ礁の45%は現在、良好な状態にある。また、海水温度の上昇により白化現象が発生した後でも部分的に回復したり、気候変動による脅威にある程度適応したりすることも期待されている。
しかし、今回の報告書によると、近年の世界的な悪化傾向は変わらず、過去4年間に起きたインド洋津波、白化の増加、サンゴの病気の拡大、増大する人間の圧力などの主な脅威が、1998年の大規模な白化現象の後の回復を遅らせ、さらには回復を上回る速さで白化を促した。
IUCNの気候変動とサンゴ礁に関する作業部会の議長を務めるデビッド・オブラ氏は、「世界最大の白化現象から10年が過ぎた今、機会が与えられればサンゴ礁は回復することがわかっている。近い将来に1998年と同じ規模の白化現象が起きるだろう。サンゴ礁と人間の苦しみを最小限に抑えたいならば、一刻の猶予もない」と述べた。
サンゴ礁の消滅により、生計をサンゴ礁に依存している5億人が深刻な影響を受けると考えられている。
DSR指標= DSR指標とは?
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2008/20081223_1.html
研究報告:世界のサンゴ礁の1/5が死滅、残りの保全には排出量削減が不可欠