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日刊 温暖化新聞|温暖化ニュース
2009年01月09日
研究者、大気中CO2量の初期目標値350ppmと石炭利用の段階的廃止を提案
(米航空宇宙局ゴダード宇宙科学研究所より)
気候による災害を回避するために、地球規模の政策として大気中二酸化炭素(CO2)量の初期目標値を350ppmに設定し、その達成のために石炭利用を段階的に廃止するよう提案する研究論文が学術誌『Open Atmospheric Science Journal』第2号に掲載された。本論文の主執筆者、ジェームス・ハンセン氏が所属する米国航空宇宙局(NASA)ゴダード宇宙科学研究所が12月8日に発表した。
これまでの研究では大気中CO2量が450ppm以上になると危険とされてきた。今回の研究チームは過去のCO2量の変動や進行中の気候変動に対する地球の反応を示すデータを分析した。その結果、現在の大気中CO2量(385ppm)でもすでに危険な領域に入っていること、そして文明が発達途上であった頃と同じ状態で地球を維持するために最適とされるCO2量は350ppm未満であることが明らかになった。
同研究で著者らは、「大気中CO2量を350ppmまで下げるためには劇的な政策転換が至急必要」と訴え、「石炭が大気中CO2の最大排出源となっており、CO2回収・隔離システムを導入した場合を除く石炭利用の段階的廃止が唯一現実的な大幅排出削減策」と指摘している。他に、森林再生や農法改善などによる土壌の炭素隔離力向上、生産時の吸収量が燃焼時の排出量よりも多いバイオ燃料の利用、天然ガス火力発電所からの排出の段階的廃止といった対策も組み合わせれば、21世紀末までにCO2量を350ppmにまで下げることも可能だという。一方、CO2量を50ppm下げるのに約20兆ドルかかるといわれる地球工学対策には疑問を呈している。
さらに著者らは「人類は脱化石燃料時代に向けて動かなければならない。CO2を回収しない石炭利用を今後20~25年以内で段階的に廃止することは極めて困難だが、第二次世界大戦に注がれた努力を考えれば実現も可能だ」と結論付けている。
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http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2009/20090109_1.html
研究者、大気中CO2量の初期目標値350ppmと石炭利用の段階的廃止を提案