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日刊 温暖化新聞|温暖化ニュース
2009年04月06日
研究報告:気候変動で富裕国と貧困国の格差拡大の可能性あり
(マサチューセッツ工科大学より)
全世界的な気温上昇は、富裕国と貧困国の格差をさらに拡大させるかもしれないことが、米国のマサチューセッツ工科大学(MIT)経済学部のベンジャミン・オルケン准教授が行った研究で明らかになった。同大学が3月13日に発表した。
気候変動が経済成長に及ぼす影響を分析した本研究では、1950年から2003年までの世界各国の気候(気温と降雨量)と経済(成長率と生産性)のデータを使って分析した。その結果、気温が摂氏1度上昇した年において、世界の貧困国の平均経済成長率は1.1パーセントポイント減少したのに対し、富裕国にはほとんど影響がなかったことがわかった。また農業と工業の両分野において、気温上昇に伴い経済的な生産量と成長率が大きく下がったが、その減少がみられたのはすでに貧しい国のみであった。
さらに、貧困国で気温が1度上昇すると、クーデターのような変則的な指導者交替が発生する可能性が3.9パーセントポイント高まるなど、気温上昇が政治にも影響を及ぼす可能性も示されたという。
「気温上昇が貧困国に及ぼす潜在的影響力は、これまで考えられてきたよりもかなり大きいものであることが明らかになった」とオルケン准教授は語っている。
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http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2009/20090406_1.html
研究報告:気候変動で富裕国と貧困国の格差拡大の可能性あり