（国連環境計画より）

国連環境計画（ＵＮＥＰ）は８月18日、2010年上海国際博覧会の開催に向けた、上海市の環境への取り組みを評価した報告書を公表した。報告書は、大気、交通、エネルギー、廃棄物、水、緑地率、保護区、気候ニュートラル、万博会場の９つの分野に分けて評価している。

報告書は、同市が公共交通を主要な移動手段にすることを目的として、環境に優しい交通システムの開発に取り組んでいる点を高く評価。同市では、総延長400kmに及ぶ、世界有数の高速輸送網を建設中である。さらに、電気バスや水素燃料電池バス、ハイブリッドバスなど新エネルギー自動車の走行実験も行っている。

一方で、電力における石炭依存率の高さを問題点に挙げている。万博会場に設置された中国最大の建物一体型太陽光発電装置や、上海沿岸に建設中のアジア初の海上風力発電で実証されているような、再生可能エネルギー開発の強化を続けるべき、と報告書は提言している。

廃棄物に関しては、埋立てや機械生物処理（ＭＢＴ）施設の利用など、安全な廃棄が戦略の基盤となっているようだが、市内も万博会場も、より包括的な廃棄物削減戦略を打ち出す必要があると指摘。また、飲料水の安全性は、下水処理率の向上と汚染された川の浄化により、改善されているものの、河川の硝化作用への対応が必要と述べている。

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