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日刊 温暖化新聞|温暖化ニュース
2010年02月10日
オゾンホールの回復で、地球温暖化が加速するおそれ
(英国リーズ大学より)
英国リーズ大学の研究チームは1月26日、オゾンホールの回復により、南半球の温暖化が加速する可能性があるとの研究結果を発表した。南極のオゾンホールは、かつて環境への最大の脅威と考えられていたが、むしろ、この地域を20年にわたり、炭素を原因とする温暖化から守っていることが分かってきた。
オゾンホールの下に発生する高速風は、明るい色の夏雲を形成する。「この雲が、まるで鏡のように太陽光線を反射し、地表から太陽熱を奪っている。このため、南半球では夏の間、炭素の増加による温暖化が効果的に抑えられている」と、同大学のケン・カーズロー教授は語る。
今回の発見を導くカギとなったのは、エアロゾルという大気中に浮遊する小さな反射性の粒子。温室効果ガスが、地球からの赤外線放射を吸収し、これを熱として大気中に放出することで、地球を温める働きをしているのに対し、エアロゾルは、太陽熱を宇宙空間に反射することで、地球を冷却する働きをしているという。
南極のオゾンホールの下では、高速風が、無数の塩の粒子を含む大量の海水を巻き上げ、この海水が水滴となって雲を形成する。この20年で巻き上げられる海水が増加し、より明るく、反射性の高い雲が形成されるようになった。しかし、オゾン層が回復すると、このメカニズムの有効性は低下し、南半球の温暖化が加速することになる、と研究チームは指摘している。
DSR指標= DSR指標とは?
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2010/20100210_1.html
オゾンホールの回復で、地球温暖化が加速するおそれ