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日刊 温暖化新聞|温暖化ニュース
2010年03月28日
研究報告:北極海の永久凍土層より大量のメタンが漏出
カテゴリー:生態系
(アラスカ大学フェアバンクス校より)
アラスカ大学フェアバンクス校は3月3日、北極海の海底の一部で、強力な温室効果ガスであるメタンが広範囲にわたって放出されているとする研究結果を伝えた。この研究は、同校の科学者Natalia Shakhova氏とIgor Semiletov氏を中心とした国際研究チームによるもので、3月5日付のサイエンス誌に掲載された。
これまで、東シベリアの北極海陸棚の永久凍土層は、不透過性の蓋の役目を果たしてメタンを閉じ込めていると考えられていた。しかしながら、この研究によると、大量のメタンが永久凍土層から漏出して、大気中に放出されているという。Shakhova氏は、「東シベリアの北極海陸棚から現在放出されているメタンの量は、世界の他の海洋全体から放出される量に匹敵する」と語っている
地質学的な記録によると、地球の大気中メタン濃度は、寒冷期には0.3 - 0.4 ppm、温暖期には0.6 - 0.7 ppm の間で推移してきた。現在、北極地域の大気中メタン濃度の平均は約1.85 ppmで、過去40万年で最も高く、東シベリアの北極海陸棚上空ではさらに高い、とShakhova氏は指摘する。
研究者たちは、今後もこの地域での研究を続けるとしており、メタンの放出源の探知や、メタンの蓄積量を推定するためのボーリング調査なども計画している。
DSR指標= DSR指標とは?
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2010/20100328_1.html
研究報告:北極海の永久凍土層より大量のメタンが漏出