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日刊 温暖化新聞|温暖化ニュース
2010年05月03日
エタノール用の農作物残さの除去、環境の質に悪影響を及ぼす
(米国農学会より)
米国、ウィスコンシン州マディソン発─エタノール生産用にトウモロコシ等の農作物の残さを畑から取り除くと、土壌や環境の質に悪影響を及ぼす──米国農学会は、こう結論付ける文献研究論文を4月5日付けリリースで紹介した。
カンザス州立大学農業研究センター(*1)のハンバート・ブランコ博士が書いたこの論文によると、農作物残さの50%以上を畑から取り除くと、土壌構造に悪影響を及ぼし、土壌による有機炭素の隔離量や土壌中の養分循環の減少、水による浸食の増加などを引き起こす。また、除去される量が50%未満でも、不耕起の土壌を炭素の吸収源ではなく排出源にする可能性があるという。
農作物残さ利用の代替策として、同博士は、スイッチグラス等(*2)の暖地型牧草やポプラ等(*3)の短期周期の木本作物の栽培を挙げている。草本・木本植物は、土壌の特質の向上、水や風による浸食の減少、汚染物質のろ過、土壌中の有機炭素の隔離といった利点が多くあると同時に、農地以外の限界耕作地等でも栽培が可能。適切に管理された草本系・木質系エネルギー作物は、セルロース系エタノール生産で必要な原材料を提供しながら、土壌や環境に無数の利益をもたらす可能性を持つという。
(*1) (*2) (*3): ブランコ博士の所属と植物の例は、以下の参考資料を参照した。
DSR指標= DSR指標とは?
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2010/20100503_1.html
エタノール用の農作物残さの除去、環境の質に悪影響を及ぼす