本文の先頭です。
日刊 温暖化新聞|温暖化ニュース
2010年08月27日
研究報告:南極海の海氷に関する矛盾を解明
(ジョージア工科大学より)
米国、ジョージア州アトランタ発-北極海の海氷が、ここ数十年の間に縮小している一方で、南極海の海氷面積はわずかに増加している。温暖化する気候の中で、南極海の海氷が増加しているという矛盾を、ジョージア工科大学の研究チームが解明した。論文は、8月16日付けの米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載されている。
論文によると、20世紀後半、大気の温暖化に伴い、水循環が加速し、南極大陸周辺の南極海では降水量が増加した。そのほとんどが降雪であり、これらが上層海洋を安定させ、海氷下の海洋熱を遮断する形となった。この遮断効果が、海氷の底面で起こる融解を減少させた。さらに雪は、大気熱を反射し、海氷から遠ざける働きがあるため、海氷表面の融解も減少したのだという。
しかし、気候モデルの予測によると、21世紀には、温室効果ガスの増大に伴い、温暖化は加速する。この結果、南極海の海氷がより速いペースで融解する可能性がある。まず、大気の温暖化によって上層海洋の水温が上昇し、海氷底面の融解が進行するおそれがある。さらに、温暖化の進行で降雪量が減り、雨量が増すと、雪による反射がなくなり、海氷表面の融解も促進されるおそれがあるという。
DSR指標= DSR指標とは?
この記事のURL
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2010/20100827_1.html
研究報告:南極海の海氷に関する矛盾を解明