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日刊 温暖化新聞|温暖化ニュース
2010年09月24日
研究報告:北極圏の野生動物に迫る絶滅の危機
(生物多様性センターより)
米国、サンフランシスコ発-米国の環境保護団体、生物多様性センターは9月13日、気候変動と海洋酸性化の影響を受けながら、必死に生き延びようとしている北極圏の17種類の動物の現状をまとめた報告書「絶滅:ホッキョクグマだけではない(Extinction: It’s Not Just for Polar Bears)」を発表した。
北極海における夏季の海氷面積の縮小は、海氷に依存する多くの生物種に壊滅的な影響を与えている。海氷の消失で、タイヘイヨウセイウチは海岸に集中せざるを得なくなり、子供を圧死させているケースがある。また、海氷が割れる時期が早まり、ワモンアザラシやタテゴトアザラシの親子は、子供が独り立ちする前に離れ離れになってしまっている。
海水の酸性化に伴い、北極海では、プランクトンや貝類の腐食が温帯海域よりも早く進んでいる。陸上では、冬季の異常気象が原因で、食料を確保できないジャコウウシなどの草食動物が、個体数を減らしている。ツンドラの南端部からは、ホッキョクギツネが姿を消している。温暖化の影響でアカギツネが生息域を北に広げ、餌となるレミングが減少しているためである。
北極圏の野生動物を保護するために、科学的根拠に基づく対策が急がれている。気候変動と海洋酸性化による壊滅的な被害を避け、北極海の海氷面積を25年前の大きさに戻すためには、大気中のCO2濃度を現在の390ppmから、最大でも325~350ppmにまで減らす必要がある、と報告書は指摘している。
DSR指標= DSR指標とは?
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2010/20100924_1.html
研究報告:北極圏の野生動物に迫る絶滅の危機