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日刊 温暖化新聞|温暖化ニュース
2010年12月07日
研究報告:REDDプログラムは熱帯地方の生物多様性保全を損なう懸念あり
(ケント大学より)
途上国における森林の減少・劣化による温室効果ガス排出を削減しようとするREDDプログラムのような取り組みは、熱帯地方の長期的な生物多様性保全を損なう懸念があるとする研究論文が電子ジャーナル「Carbon Balance and Management」に発表された。英国のケント大学が11月30日に伝えた。
国連のREDDプログラムは、途上国が森林資源の管理向上や保全を行うことに対して経済的補償を提供するもので、実施されれば、気候変動対策としての効果を発揮すると共に、森林を維持する恩恵として生物多様性の保全にも寄与するとされている。
研究者らは、インドネシアにおける野生生物、植物、土地被覆、炭素排出量などのデータを調査した結果、炭素を大量に蓄積している泥炭湿地林は、絶滅に瀕する多くの種を擁する森林とは必ずしも一致しないことを明らかにした。
研究者の一人であるケント大学のMatthew Struebig博士は、「泥炭湿地林は、他の低地森林に比べ約8倍も多くの炭素を保有しており、オラウータンやトラなど関心の高い生物の生息地でもある。そのため、泥炭湿地林が多くのREDD資金を引き付けるが、絶滅の危険が大きい種の全体的な数を見ると、他の低地森林の方が多い」と語る。
REDDプログラムで泥炭地が優先されると、生物多様性にとって重要な森林にパーム油や紙・パルプ生産のプランテーションを作る圧力が強まる懸念があると論文は指摘し、REDDの実施に関する規制の枠組みが緊急に必要だと主張している。
DSR指標= DSR指標とは?
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2010/20101207_1.html
研究報告:REDDプログラムは熱帯地方の生物多様性保全を損なう懸念あり