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日刊 温暖化新聞|温暖化ニュース
2011年02月24日
研究報告:気候変動が多くの樹種を脅かしている
(エルサレム・ヘブライ大学より)
イスラエルのエルサレム・ヘブライ大学は1月23日付けのリリースで、気候変動により多くの樹種が絶滅する可能性を指摘した。同大学の調査で明らかになったもので、マツやカエデなどといった風で種子を分散させる樹木が、今後予想される気候変動に対処できるペースで種子を飛ばせなくなる恐れがあるという。
今回の研究では、樹木種の分布拡大について、気候と環境の変化における生態学上の影響に焦点を当てた。気候変動は既に確認されており、今後50年間続くと予測されているが、その中には、大気中の二酸化炭素濃度の増加や多くの地域での風速低下も含まれる。
初期の研究では、二酸化炭素濃度が増加すると、樹木はより多くの種をつけ、成長も速まるため、分布速度も速まるが、風速が弱まると分布速度が低下するとされていた。しかし今回の研究では、風速が増加しても低下しても、分布拡大の速度にはほとんど影響しないことが明らかになった。分布の速度は、種子数の増加や成長速度の増加で速まるという。
ただし今回の研究では、今後こうした樹種の分布拡大の速さが、予測されている気候(温度)帯の極方向への移動よりもはるかに遅くなることも分かったため、風で種子を分散させる樹種は気候変動に耐えられない可能性があると決定づけた。
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研究報告:気候変動が多くの樹種を脅かしている