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日刊 温暖化新聞|温暖化ニュース
2011年04月12日
研究報告:ロシアの北方林で植生変化が進行
(バージニア大学より)
世界的・地域的な気候温暖化の結果として、広大なロシアの北方林で大規模な植生変化が急速に生じ、同地域ではさらなる温暖化が進んでいる--米国・バージニア大学の研究チームの論文が、学術誌『Global Change Biology』に掲載された。同大学が、3月24日付けのプレスリリースで伝えている。
シベリアを含む広大なロシアの森林では、この数十年間に著しい気温上昇が観測されている。この結果、温暖な気候への耐性が低い樹種が減少するとともに、温暖な気候への耐性が高い樹種の分布が北方へ拡大しつつある。「特にシベリアでは、カラマツが優占する落葉針葉樹林から、常緑針葉樹林への遷移が確認されている」と、論文の執筆者であるJacquelyn Shuman氏は語る。
カラマツは秋に落葉するため、冬期は広大な雪に覆われた地面が、太陽光と熱を宇宙空間に反射する。この現象が、同地域を極寒の気候に保っている。しかし、トウヒやモミのような常緑針葉樹は、一年中葉をつけているため、森林が太陽光を吸収し、地上に熱を留めてしまう。この現象が、常緑樹の増加に理想的な状態を生み、落葉針葉樹の生育を妨げている。
ロシアの北方林は、巨大な炭素貯蔵庫である永久凍土の上に生息している。森林の樹種の分布が、カラマツから常緑樹へと変化するに従い、地面の温度が上昇し、土壌の分解が促進されている。この結果、現在の大気中の二酸化炭素の15%に相当する、膨大な量の二酸化炭素が放出されていると考えられている。
DSR指標= DSR指標とは?
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2011/20110412_1.html
研究報告:ロシアの北方林で植生変化が進行