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日刊 温暖化新聞|温暖化ニュース
2011年04月29日
欧州の森林土壌から大気に放出される亜酸化窒素、IPCC推定の2倍以上
(カールスルーエ技術研究所より)
ドイツのカールスルーエ技術研究所(KIT)は4月11日、欧州の窒素に関する初の調査である「欧州窒素アセスメント」(European Nitrogen Assessment)の発表が、スコットランドのエディンバラで開催の国際会議「窒素とグローバル・チェンジ 2011」で行われたと伝えた。
このアセスメントによると、農業、運輸、産業分野から排出される反応性の高い窒素化合物の増加は、欧州の森林土壌から放出される亜酸化窒素(N2O)の増加をもたらしており、その放出量は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の推定値の2倍以上になるという。
アンモニア(NH3)や窒素酸化物(NOx)のような反応性窒素化合物は主に人為的起源によるもので、大気を通じて森林に沈着し、その後、一部が亜酸化窒素に変換される。亜酸化窒素は、二酸化炭素やメタンと並ぶ主要な温室効果ガスであり、同量の二酸化炭素と比較すると、その温室効果は約300倍といわれる。
大気中に反応性窒素が増える要因としては、農業での化学肥料の使用やアンモニアの揮散、化石燃料やバイオマスの燃焼などがある。この反応性窒素は、森林土壌から亜酸化窒素を放出させるだけでなく、生物多様性の喪失や、水への窒素流出にもつながる。
DSR指標= DSR指標とは?
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欧州の森林土壌から大気に放出される亜酸化窒素、IPCC推定の2倍以上