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日刊 温暖化新聞|温暖化ニュース
2011年07月07日
現在の大気中への炭素排出ペース、温暖化極大期の10倍
カテゴリー:生態系
(ペンシルベニア州立大学より)
米国、ペンシルベニア州ユニバーシーティパーク発-米国ペンシルベニア州立大学の6月6日付けのリリースによると、地質学者の国際チームは、現在、大気中に炭素が排出されるペースが、5,590万年前の暁新世・始新世境界温暖化極大期(PETM)当時の10倍近くであると述べた。
同大学の地質科学の教授であるリー・R・カンプ氏は、「PETMを対象として選んだ理由は、古代の出来事のなかで、化石燃料の燃焼による将来的な気候変動と最も類似していると考えたからである」と話した。
通常、PETMの調査は、深海の底だった地域からの10センチから1メートル程度のコアサンプルを使って行われるが、今回、使用されたノルウェーのスピッツベルゲン島で北極海の浅い底から採取されたコアは、150メートルの長さである。コアが大きいことで、経時的に何が起きたかを研究しやすくなり、海洋の酸化によって、コアの質が劣化することもなくなる。
カンプ氏は、「約2万年続いたPETMは、生態系が適応するには十分に長かった。現在は当時の10倍の速さで炭素が大気中に排出されていることから、生態系が適応できるペースを上回っている可能性がある」と述べた。
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現在の大気中への炭素排出ペース、温暖化極大期の10倍