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日刊 温暖化新聞|温暖化ニュース
2011年07月23日
海氷の融解で、ホッキョクグマの子の死亡率が高まる
カテゴリー:生態系
(世界自然保護基金より)
7月19日、カナダ・オタワで開催された国際クマ協会(IBA)の会議で、ホッキョクグマの遊泳距離が増加する傾向にあるとの研究成果が報告された。気候変動に伴う海氷の喪失で、ホッキョクグマは、安定した海氷を見つけ、陸にたどり着くまでに長距離の遊泳を強いられており、結果として、子グマが死亡するリスクが高まっているという。
研究論文の執筆者である、世界自然保護基金(WWF)のジェフ・ヨーク氏は、「気候変動が、ホッキョクグマの足元から海氷を奪い去り、彼らは食料とすみかを探すために長距離を泳がざるを得なくなっている」と話す。
研究チームは2004年から2009年にかけて、メスのホッキョクグマ68頭に全地球測位システム(GPS)を搭載した首輪を取り付け、海氷の衛星画像とともにデータを収集した。この結果、一度に約50km以上泳ぐクマがいることを確認した。調査によると、20頭が6年間で50回の長距離遊泳を行っており、移動距離は最長でおよそ685km、移動期間は最長で12.7日に及んだという。
長距離を泳いだホッキョクグマのうち11頭が、首輪を装着した際に子グマを連れていたが、そのうち5頭が遊泳中に子グマを失っていた。45%の死亡率である。一方、母親とともに長距離遊泳を強いられなかった子グマの死亡率は、わずか18%だった。
DSR指標= DSR指標とは?
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2011/20110723_1.html
海氷の融解で、ホッキョクグマの子の死亡率が高まる