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日刊 温暖化新聞|温暖化ニュース
2011年09月04日
国連、イラクの湿原の持続可能な利用の重要性を強調
(国連より)
国連は8月25日、「湿原の変化を管理する:イラクの重大な課題(Managing Change in the Marshlands: Iraq’s Critical Challenge)」と題する報告書を発表した。イラクの湿原は、生態系がもたらすさまざまな恩恵や、気候変動対策との両立を図りながら、適切に管理する必要があると提言している。
1970年代以降、イラクでは90%以上の湿原が、上流のダム建設や排水事業のために乾燥化している。1990年代には、マーシュ・アラブ人のコミュニティが組織的な攻撃で破壊され、多くの人々が故郷を追われることとなった。推定で7万5,000人以上のマーシュ・アラブ人がイランに避難し、10万人近くがイラクの別の地域で生活している。
イラクの湿原は、上流域の管理、気候変動、土地と資源をめぐる争い、経済開発、人口動態上の傾向など、さまざまな圧力を受けている。湿原の水質は劣悪で、飲用水として安全ではない上、農業や他の経済的利用にもほとんど適さない。報告書によれば、永続的な自然生息地の消失や、生命の多様性の喪失が、湿地生態系の健康状態を悪化させ、イラク人の暮らしを支える能力を低下させているという。
このため、湿原の管理と統治に向けた”国家ビジョン”を構築する必要がある、と報告書は指摘している。政策決定では、湿原の利用におけるトレードオフへの対応が必要になるという。特に、農業生産と水質、土地利用と生物多様性、現在の灌漑用水と将来の農業生産用水のトレードオフが重要であると述べている。
DSR指標= DSR指標とは?
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2011/20110904_1.html
国連、イラクの湿原の持続可能な利用の重要性を強調