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日刊 温暖化新聞|温暖化ニュース
2011年09月07日
気候変動による熱帯雨林の増加、土壌の炭素放出を促す可能性あり
カテゴリー:生態系
(生態・水文研究センター)より
英国の生態水文研究センター(CEH)は8月15日付けのリリースで、気候変動により熱帯雨林の木の生長が促進されることで、落葉落枝(地面へ落ちる、葉、樹皮、小枝などの枯れた植物)が増加し、土壌微生物が貯留されていた土壌炭素を放出する可能性を示す新しい研究報告について発表した。
同研究は、CEHと英国ケンブリッジ大学の科学者チームが、中米のパナマにあるスミソニアン熱帯研究所で、6年間にわたり熱帯雨林について調査したもので、電子版『ネイチャー・クライメート・チェンジ(Nature Climate Change)』誌で発表された。
科学者チームによると、植物由来の新鮮な炭素は微生物が特に必要とするエネルギーとなるため、落葉落枝の増加は、土壌に貯留された炭素の分解を促進する「プライミング」と呼ばれる効果をもたらすことが明らかになった。落葉落枝が30%増加すると、低地の熱帯雨林の土壌から1ヘクタール当たり年間約0.6トンの炭素が放出されると推定されている。
主執筆者であるCEHのエマ・ソーヤー博士は、「熱帯雨林の炭素隔離量の推定の大半は、木の生長の測定に基づいている。私たちの研究では、植物と土壌の相互作用が炭素サイクルに多大な影響を与えることが示された。気候変動モデルは、将来的な大気中の二酸化炭素濃度を予測するために、こうしたフィードバックを考慮しなければならない」と述べた。
DSR指標= DSR指標とは?
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2011/20110907_1.html
気候変動による熱帯雨林の増加、土壌の炭素放出を促す可能性あり