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日刊 温暖化新聞|温暖化ニュース
2011年09月11日
研究報告:排水リサイクルが温室効果ガスを増加させる可能性
(シンシナティ大学より)
排水のリサイクル処理は、従来の水処理に比べ、より多くの温室効果ガスを発生させる可能性がある。しかし、都市部で水資源を得る手段として、排水リサイクルを続けることは、十分理にかなっている--米国のシンシナティ大学は8月29日、同大学の研究チームが新たな研究論文を発表したと伝えた。
研究チームは、異なる排水処理方法が、亜酸化窒素の排出にどのような影響を及ぼすかを調査した。亜酸化窒素は、硝化細菌と脱窒細菌の代謝によって生じる副産物。排水処理施設では、硝化と脱窒の過程を利用して、排水中の窒素を除去している。研究チームは、有機炭素を除去し、河川に再放流する従来型の排水処理施設と、有機炭素と窒素を除去し、都市緑化などの灌漑に利用する排水リサイクル施設を比較した。
この結果、排水リサイクル施設では、従来型の処理に比べ、およそ3倍の亜酸化窒素が排出されていることが明らかになった。排水リサイクル施設には、硝化細菌と脱窒細菌が高密度で存在するため、亜酸化窒素排出の原因になっているという。
とはいえ、排水リサイクルは得策である、と研究チームは指摘する。南カリフォルニアなどでは、遠く離れた場所から飲料水を導水しており、大量のエネルギー消費、二酸化炭素排出の原因となっている。したがって、リサイクルした排水を、灌漑用水ではなく、飲料水の補給に利用できるようにするべき、と提案している。
DSR指標= DSR指標とは?
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2011/20110911_1.html
研究報告:排水リサイクルが温室効果ガスを増加させる可能性