（イリノイ大学より）

米国、イリノイ州シャンペーン発―米国のイリノイ大学は８月29日付けのリリースで、バイオエネルギー作物が必要とする水に関する研究を発表した。この研究は『米国科学アカデミー紀要』誌のオンライン版(Early Edition)に発表されているもの。

リリースによると、多くのエネルギー研究者や環境保護論者は、トウモロコシよりもススキやスイッチグラスのような大型の草による、より効率がよく大規模なバイオ燃料生産の達成の可能性に期待している。こういった人々は生産高や土地利用、経済などは研究してきたが、水という農業の重要な要素を見落としているという。

「世界中の多くの国が、バイオ燃料エネルギーを研究している。しかし、これらの国々が大型の草の利用を通常の政策として採択するなら、それに付随する水の需要も考慮する必要がある」とイリノイ大学のPraveen Kumar教授は述べる。

ススキとスイッチグラスの地上の葉は、トウモロコシよりも広い表面積を持ち、より高い密度で茂る。これは同じ面積から産出できるバイオマスの量を最大限に高めるには適しているが、水の使用量もまた増やすとのこと。またトウモロコシと異なりススキとスイッチグラスは光と雨を遮ること、蒸散によってより多くの水分を失うことから、土壌からより多くの水分を汲み上げるという。

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