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日刊 温暖化新聞|温暖化ニュース
2011年09月29日
研究報告:岩盤内の窒素で森林の炭素吸収力が増す可能性も
カテゴリー:生態系
(カリフォルニア大学デイビス校より)
米国カリフォルニア大学デイビス校は8月31日、樹木が岩盤中に存在する窒素を利用する能力があり、それによって樹木の生長や大気中の二酸化炭素吸収力が促進されることを、同校の研究者が初めて実証したと発表した。
これまでは、窒素が生態系に入ることができるのは大気からのみで、雨水に溶ける、生物学的に「固定」される、または特殊な生物群や有機体に吸収されるものと考えられていた。そして、このような経路で入る窒素量は限られるため、多くの生態系では、植物の生長を最高速度で促す窒素を十分得られていないと思われていた。一方岩盤には、恐竜時代の動植物の遺骸に由来する窒素が含まれている。
この研究では、岩盤、土壌、樹木に含まれる窒素量に注目し、様々なデータで調べたところ、森林土壌中の貯留炭素量では、窒素含有量が多い岩盤上にある土壌の方が2倍近く多いこと、また窒素含有量が多い岩盤上にある森林樹木の窒素含有量は非常に多く、生産力も約50%高いことがわかった。
同研究が示すように、もし予測されている従来の窒素循環経路よりも多くの窒素が利用可能であるのなら、陸地での炭素貯留量の増加、大気中の炭素残留量の減少につながる可能性がある。
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http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2011/20110929_1.html
研究報告:岩盤内の窒素で森林の炭素吸収力が増す可能性も