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日刊 温暖化新聞|温暖化ニュース
2011年12月21日
研究報告:生育温度の上昇で寄生虫と宿主の魚の成長率に変化
カテゴリー:生態系
(レスター大学より)
英国国立レスター大学は12月5日、学術誌『グローバル・チェンジ・バイオロジー』で、魚の繁殖に壊滅的な影響を及ぼす寄生虫が、高温では4倍の速さで成長し、魚の個体数に深刻な影響を与える可能性があることを示す研究報告を発表した。今回の研究は、地球温暖化が寄生虫と宿主の間の相互作用に影響を与えることを示す最初の証拠である。
同大学生物学部の科学者チームが、寄生された魚の行動変化も観察したところ、寄生虫は宿主がより高い温度を求めるように、宿主の行動を操作する可能性も明らかになった。また、高温では、寄生虫の成長率が高まる一方で、宿主の成長率が下がることが示された。
実験的でトゲウオに感染した寄生虫は、生育環境が15℃と20 ℃では成長率が4倍になった。同大学生物学部のイアン・バーバー博士は、「魚という宿主内で、寄生虫がどの程度まで大きくなるかによって、寄生虫のライフサイクルにおける次の宿主の、魚を食べる鳥(カワセミやサギなど)への感染力や、寄生虫が産卵する卵の数が決定されるので、これらの結果は重要である」と述べた。
バーバー博士によると、8週間の実験を行なったところ、20℃の生育環境で魚を感染した寄生虫はすべて、魚を食べる鳥を感染できる大きさになったが、それよりも低い温度で生育された寄生虫のなかで、感染力を持つほど大きくなった個体はいなかった。
DSR指標= DSR指標とは?
http://daily-ondanka.es-inc.jp/news/2011/20111221_1.html
研究報告:生育温度の上昇で寄生虫と宿主の魚の成長率に変化