（英国エネルギー気候変動省より）

英国エネルギー気候変動省は３月29日付けのリリースで、今後数十年間で、家庭・企業・業界の熱供給による炭素排出量を削減するための可能な方法についての見通し「熱戦略（The Heat Strategy）」を発表した。

エネルギー気候変動大臣のエドワード・デイビー氏は、「発熱に伴う排出量の削減が、気候変動と再生可能エネルギーの目標達成には重要である」と指摘しながら、「英国各地の町、都市、地域社会の圧倒的大部分は、すでに化石燃料からバイオマス、ヒートポンプ、太陽熱など、低炭素な熱供給に切り替えている」と述べた。

「熱戦略」には、英国最大の地域暖房ネットワークの一つがあるノッティンガム市の例など、さまざまな低炭素の熱供給の事例が含まれている。ノッティンガム市では、65キロメートルのネットワークが、4,600件以上の家庭と100件以上の企業や公共所有物に熱を供給しており、同市の熱消費量全体の約3.5％を占めている。

「熱戦略」には異なる三つの段階がある。2020年までは、再生可能な熱の早期導入促進、サプライチェーンの構築、革新の支援により、建物と業界の両方でエネルギー効率と市場の準備を進める。2020年から2039年は、家庭と企業における低炭素熱技術の普及、市場支援と消費者や業界のコストを最小限にするための正しい枠組みの構築、2040年から2050年は、建物では炭素排出ゼロの熱源、つまり、都市での低炭素熱ネットワークというさらに大きな役割や、建物でのヒートポンプなど、幅広い再生可能エネルギーの選択肢の実現に取り組む。

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