本文の先頭です。
日刊 温暖化新聞|温暖化BASIC
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)では、今後の温度上昇について、いくつかのシナリオにしたがってシミュレーションをおこなっています。
ひとつのシナリオは、「このままだとどうなるか」。つまり、「これからも化石燃料を大量に使いつつ、高い経済成長をめざす社会を続けていくとしたら?」 その場合、今世紀末の気温上昇は現在に比べて4℃前後(2.4−6.4℃)となります。
もうひとつ、別のシナリオもあります。「環境保全と経済の発展を、地球規模で両立するとしたら?」 この場合、今世紀末の気温上昇は1.8℃前後(1.1−2.9℃)ですみます。さらに、世界が約束をして温暖化防止の対策を特に意識して進めていくことによって、気温上昇はこれよりも低くできる可能性があります。
100年後の人たちが、何度の気温の世界に生きることになるか——それを決められるのは、100年後の人たちではありません。100年後の人たちには決められません。100年後の人たちが生きる世界の気温を決めてしまうのは、私たちです。
私たちがどういう暮らし方をするのか。どういう企業活動をするのか。どういう自治体運営をするのか。どういう社会をつくっていくのか。そして、とても大事なことに、どういう経済を営んでいくのか。これが100年後の人たちが生きる温度を決めてしまうということなのです。