本文の先頭です。
日刊 温暖化新聞|温暖化REPORT
発行: | 有限会社イーズhttp://www.es-inc.jp/ |
---|---|
発行日: | 2009年2月20日 |
ページ数: | 2ページ |
入手先: | PDFダウンロード |
プレスリリースより
有限会社イーズ(本社:東京都世田谷区、代表取締役:枝廣淳子)は、本日、「温暖化を防ぐために、自然エネルギーを増やす政策に関するアンケート」調査結果を発表しました。本調査は、自然エネルギーを増やす政策への賛否と、その政策の一つである固定価格買取制度について、負担や便益についての情報が与えられる(*1)前と後での賛否を調査したものです。調査は一般(無差別)を対象に、2月16日17時から有効回答300に達するまで、インターネットを通じて行いました(*2)。回答者は99%が女性であり、25歳~50歳が94%を占めており、生活負担増に厳しいとされる主婦層を対象とした調査となっています(設問の一覧は表1)。
結果は、自然エネルギーを増やす政策の“総論”には8割の人が賛成しており、自然エネルギーの電気を高く買い取るという側面について固定価格買取制度を説明した場合に7割の人が賛成、月平均260円の電気料金アップというコスト負担を伴うことが分かった場合でも、5割強と過半数以上が賛成でした。一方、コスト負担情報を伴った場合の反対は12%で、うち4割(回答者全体の5%)がコスト負担増を理由にした反対でした。
自由記述のQ4では、「もっと説明や情報提供が欲しい」(全回答の12%)という声が最も多く、自然エネルギー設備設置者から高く買い取る部分と、そのコスト負担を電気料金に薄く広く上乗せするという2つの側面について、十分な理解に至っていない回答者が多いことも分かりました。これは、Q2, Q3において「どちらともいえない」がそれぞれ25%, 34%と多数となっていることからも分かります。コスト負担増への不安や難色を示すコメントが全体の9%存在しますが、固定価格買取制度への反対を示している回答は全体の5%と、不安や難色は示しつつも政策には賛成、または検討に値すると考えていることが分かります。一方、コスト負担増もやむなしとする積極的なコメント(全回答の4%)も少なからず存在しました。また「初期投資を下げる方策を」とのコメント(全回答の5%)も多くありました。
不況下で生活防衛意識の高まっている主婦層においても、子供たちの世代へよい環境をという気持ちは強く、「生活コスト増となっても過半数以上が固定価格買取制度に賛成」していることが明らかになりました。
(*1)環境省 低炭素社会構築に向けた再生可能エネルギー普及方策検討会, 「低炭素社会構築に向けた再生可能エネルギー普及方策について(提言)」(2009.2.10)
(*2)あつまれ!ご意見ネット(運営:株式会社ハー・ストーリィ)使用
参考:環境メールマガジン読者層に向けた、同時調査レポート
有限会社イーズは、2009年2月19日〜23日、本アンケートについて、同社代表枝廣淳子発行の環境メールマガジン(読者数1万人以上)にて、一般(無差別)を対象に呼びかけたインターネット調査を行いました。512名から得た回答の集計をレポートします。
結果は、自然エネルギーを増やす政策の“総論”には96%の人が賛成しており、自然エネルギーの電気を高く買い取るという側面について固定価格買取制度を説明した場合に95%の人が賛成、月平均260円の電気料金アップというコスト負担を伴うことが分かった場合でも、9割強と大多数が賛成でした。一方、コスト負担情報を伴った場合の反対は7%で、理由としては「もう少し情報がないと判断できない」「260円の根拠がわからない」などが見られました。
自由記述のQ4では、「自然エネルギーを活用する仕組みや制度を早急に作ってほしい」と固定価格買取制度の導入を積極的に望むコメントが数多く寄せられました。(以下、一部紹介)
- 買い取り価格は高めにし、電力使用量が増えるほど上乗せを増やすようにするべき。
- 温暖化防止の視点だけでなく、国の安全保障からの自給率向上の視点をもっと強調すべき。
- 過去、日本が世界に先んじていた太陽光発電をもう一度復活出来る制度として非常に有効だと思う。
- 地球のためにも、日本の経済再生のためにも、一刻も早く。
- 集合住宅においても、自然エネルギーの導入ができる方法を提言し誘導策をとるべき。
- 「消費者が薄く広く負担する」ということで、自然エネルギーへの転換が重要だという事が国民の一人ひとりに意識的にも広がると思われる。
その他、コストアップについても「電気代が月平均260円アップしても、二酸化炭素を削減できるのなら仕方ない」「長期的な視野で考えれば月260円の負担が“重い”とは思わない」など前向きな意見が見られました。 その一方で、「この制度がなぜ必要なのかを、国民にわかりやすく説明する努力が大事」「このアンケートで初めてこの制度について知った」など、固定価格買取制度についての情報を一般国民にわかりやすく伝える必要性も明らかになりました。
- <表1> 設問一覧
-
- Q1:温暖化を止めるためには、省エネに加えて、二酸化炭素をあまり出さない自然エネルギー(太陽光発電や風力発電など)に切り替えていくことが重要と考えられています。自然エネルギーの割合を大きく高め、さらに高い目標を掲げている欧州諸国や米国に比べ、日本の将来目標は世界最低のレベルとなっています。この状況を変えるべく、日本でも自然エネルギーを増やすための政策が提案されていますが、あなたはこの政策に賛成ですか?
- Q2:自然エネルギーの普及政策として、自然エネルギーによる発電電力を電力会社が高値で買い取り、自然エネルギーの設備を購入した人が10年程度で元がとれるようにする「固定価格買取制度」があります。この制度は、太陽光発電で世界一のドイツをはじめ世界で35カ国以上が導入しています。日本でもこの「固定価格買取制度」を導入する環境政策が提案されていますが、あなたはこの政策について賛成ですか、反対ですか?
- Q3:環境省の研究会の試算によると、日本でこの制度を中心とする政策によって、2030年までに現状の55倍の太陽光発電を導入でき、化石燃料の節減や太陽光発電の輸出増加などで約48兆円のGDPと約70万人の雇用を創出、エネルギー自給率は現在の約5%から約16%まで上昇し、多くの二酸化炭素を削減できます。一方、この制度はコスト増分を消費者が薄く広く負担するしくみなので、電気代は標準世帯で月平均260円アップします(日常生活に最低限必要な使用量には上乗せしないなど低所得者層への配慮はあります)。電気代が月平均260円アップする場合、あなたは「固定価格買取制度」の導入に賛成ですか、反対ですか?
- Q4:「固定価格買取制度」を日本に導入しようという政策について、どんなご意見でもけっこうですのでお考えをお聞かせ下さい。